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(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   

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祟り婿 古道具屋皆塵堂

祟り婿 古道具屋皆塵堂/輪渡颯介
「早死にの祟り」に取り憑かれた居候は幽霊嫌い!?
とぼけた笑いとあと引く怖さ
人気急上昇の「人情怪談騒動記」!
曰く品ばかりの皆塵堂にまた一癖ある奉公人が……

曰くつきの古道具が揃う皆塵堂で働き始めた連助は、幽霊や呪いの話をまったく信じていない。そのため同じ道具屋で、幽霊が見えるという太一郎のことを敵視している。ある日、質草を仕舞っている蔵から妙な音がするというので、皆塵堂の店主・伊平次らとその質屋に泊まることとなった連助。その音の正体は? そして連助が幽霊を信じないのも、ある祟りが……


図書館で借りてきました。
このシリーズもずいぶん長くなってきましたね。


【質屋蔵】
【衝立から覗く顔】
【幽霊屋敷 出ても見ぬ振り】
【六連屋と妖刀】
【刀を折る者】

が収録されています。

今回のメインキャラクターはあらすじにもある連助。
この男、皆塵堂で働くことになったのにも関わらず、幽霊話やなんかを一切信じていないんです。
その上、幽霊話や迷信を信じるものには苦言を呈し、幽霊が見えるというものには怒りをあらわにしたりするような人物なんです。
それにはきちんとした理由があるのですが、それならなぜ皆塵堂に?なんて思いながら読み進めました。

連助が幽霊について頑なまでの態度を貫く理由。
それは、幽霊について認めてしまうと自身が遠からず死ぬことを認めなければいけないからでした。
なんでも、連助の父が番頭をしていた店への婿入りが決まっており、その婿は早死にする呪いがあるとされていました。

本人からしたら、そんな呪いなんてたまったものじゃありません。
だからこそのその態度で、幽霊がでるといわれる皆塵堂で幽霊に遭遇しなければ、幽霊も呪いもないと証明できると考え、皆塵堂での居候生活が始まったってことなんですね。


そんな裏事情があるもので、関係者たちの間で「連助には幽霊を見せないようにする」とされるんです。

ですが、正直読者としてはそれは不可能では?なんて思ってしまったんです。
だって、皆塵堂ですよ?
曰く付きだろうと何だろうと引き取って、毎回毎回幽霊騒ぎが起こるのに、いくらみんなで協力したとしてもそれは……と思ってしまうわけです。

実際、それは不可能でした。
幽霊に出会わないわけないですよね。
でも、連助はそれが幽霊だとはわかっていないのでセーフといったところでしょうか。


二重三重にも存在する呪いは、単純に怖いな、と。
妖と化した刀――妖刀。
それはしゃばけをはじめとしたそういった物語で描かれるようなかわいらしいものではなく、ひどく畏れられる存在だったのでしょうね。
かなり力を増していて、太一郎では太刀打ちできないという事態に陥ってしまいます。

正直、それは連助は……といったところですが、そうはなりません。
基本的にこの作品はハッピーエンドですから。

以前登場した浪人・礼蔵の力も借りてどうにかこうにか呪いをとくことに成功するわけです。

今回の功労者は、間違いなく太一郎。
連助に嫌みをいわれたりしながらも、連助を呪いから解放するために奔走します。
ですが、連助は太一郎に命を救われたことを知りません。
呪いの残滓に殺されないように、あえてその話をしていないからなんですが、今以上の不幸(笑)が訪れることが決定しているわけですから、いつか呪いがきちんととけた後でかまわないから、真実を知らせてあげてほしいな、なんて思いました。

このシリーズって前作のキャラクターがサブキャラとして登場することが多いので、次の話で連助とその子供の元気な姿がみれるのではないかな、と思います。

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交換殺人はいかが? じいじと樹来とミステリー

交換殺人はいかが? じいじと樹来とミステリー/深木章子
ねぇ、じいじ、事件のお話して――
かわいい孫のおねだりに、難事件、怪事件を語るのは元刑事・君原の至福の時間。
でも孫の樹来は名探偵だったのです
本格ミステリーのおもちゃ箱!
おもちゃ箱に詰め込まれた傑作トリックと贅沢な趣向の中身は……

図書館から借りてきました。
初めて読む作家さんです。みきあきこさんって読むんですね。


【天空のらせん階段】(密室)
【ざしき童子(ばっこ)は誰?】(幽霊)
【犯人は私だ!】(ダイイングメッセージ)
【交換殺人はいかが?】(交換殺人)
【ふたりはひとり】(双子)
【天使の手毬歌】(童謡殺人)

が収録されています。
微妙に時が流れているので、樹来の紹介が小学生から中学生に変わっていたり、君原の心が変化していたりしますが、基本どここかでも読める連作短編集です。

帯にもある通り、物語は元刑事の君原が作家志望の孫・樹来に過去に関わった事件を語って聞かせるというもの。
そして、樹来はその話から過去、刑事たちが見逃した真実を突き止めてしまう、いわゆる安楽椅子探偵ですね。

ただし、この作品で語られる事件はすべては過去のものです。
現在では、現場の建物が壊されていたり、犯人と目された人物が死んでいたりするので真相は闇の中でしかありません。
なので樹来の推理が正しいかどうかは、確認のしようがないのです。

……そこが救いというかなんというか。

正直、おじいちゃんが孫に過去の話をするのはいいんですが、元刑事というのがちょっとなぁ、と。
小説に厳密なリアルを求めるわけじゃないんですが、過去の事件について実名で、捜査状況についてつぶさに語ってしまっていいのだろうか、なんて考えてしまって。
時効が成立している、犯人が捕まっている、古い話だからと……と色々いいわけは立ちそうなんですが……。

トリックとしてはなるほどなぁと思うものもあるんですが、そこが気になってしまって純粋には楽しめませんでした。

いつか君原さんは、樹来をかすがいに息子夫婦とも仲良くすごせるようになればいいな、とは思いました。
シリーズ化はどうなのかな?
話の内容的にはありなんでしょうが、本格ミステリーの題材をモチーフにして実際にありそうな事件を語るというのがかなり難しそうなので、続編が出たらそれはそれですごいと思いますが。

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掟上今日子の備忘録

掟上今日子の備忘録/西尾維新
今日子さんには、今日しかない。
「化物語」「めだかボックス」の西尾維新がおくる新シリーズは探偵物語!

掟上今日子――またの名を、忘却探偵。
すべてを一日で忘れる彼女は、事件を(ほぼ)即日解決!
あらゆる事件に巻き込まれ、常に犯人として疑われてしまう不遇の青年・隠館厄介(かくしだてやくすけ)は、今日も叫ぶ。
「探偵を呼ばせてください――!!」
スピーディーな展開と、忘却の儚さ。
果たして今日子さんは、事件の概要を忘れる前に解決できるのか?


妹から借りました。
西尾さん読むのも久しぶりでした。


妹は元々西尾さんの作品が好きで集めてましたが、化物語あたりからお金がついていかなくなったらしいです。
が、久しぶりの新シリーズということで手を出したとのこと。
(当時学生であったこと、講談社BOXの値段と発売頻度を思えば致し方ない気もしますね)

【第一話 初めまして、今日子さん】
【第二話 紹介します、今日子さん】
【第三話 お暇ですか、今日子さん】
【第四話 失礼します、今日子さん】
【第五話 さようなら、今日子さん】

が、収録されています。
すべて書き下ろしの連作短編集。後半はつながってる話なので、順番に読むことをおすすめします。

物語としては、様々な事件に巻き込まれてしまう語り部・隠館厄介が何かある度に、探偵である今日子さんを呼び、事件を解決してもらう話です。

その特性ゆえに多くの探偵を知る厄介ですが、今日子さんはものすごい能力を持つ探偵ではないのだとか。
ただ、今日子さんは「1日しか記憶が持たない」ので、必然的に事件解決までの時間が限られます。
厳密にいうと、一度でも睡眠をとることで記憶が失われるので、うたたねもアウト。完徹すれば2日でも3日でも記憶は保たれるので、本当にやばい時は徹夜するよう。

そのため、今日子さんは即日解決、そして記憶を失ってしまうので探偵としての守秘義務がはからずも守られるというのが売りなわけです。

厄介は今日子さんに好意を持ちながらも、今日子さんの記憶がないゆえに毎度「はじめまして」を繰り返していたわけです。
そこから少しずつ関係が変わっていく様が描かれています。


おもしろかったです。
西尾さん独特とセリフ回しには少しばかり違和感を覚えてしまいましたが、これは単純に西尾作品にふれるのが久しぶりだからということがあるのでしょう。

今日子さんの記憶が持たないため、さくさくと物語が進むのでさらりと読み進めることができました。

今後の展開が非常に気になる話でした。
「昨日の今日子さん」と「今日の今日子さん」は同じだけど違う存在。
(ちょっと未来のりすかを思い出しました。あれも4巻の発売ってどうなるんでしょうね。) ちょっと先にすすめそうなラストでしたが、今日子さんはそれすらも忘れてしまう。
精神の記憶とは別物である体の記憶。
それがあるから少しはアドバンテージがあるということなんでしょうが……。
どうなってしまうんでしょうね。

2巻も手元にあるので近いうちに読んでしまいたいです。

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