涼宮ハルヒの憂鬱

涼宮ハルヒの憂鬱／谷川流

「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」。
入学早々、ぶっとんだ挨拶をかましてくれた涼宮ハルヒ。
そんなＳＦ小説じゃあるまいし……と誰でも思うよな。俺も思ったよ。
だけどハルヒは心の底から真剣だったんだ。
それに気づいたときには俺の日常はすでに超常になっていた――。
第８回スニーカー大賞＜大賞＞受賞作、ビミョーに非日常系学園ストーリー！

今更感が非常にありますが、以前購入したまま積読になっていた涼宮ハルヒの憂鬱を読んでみました。

読後の感想として、「こういう話だったのか」ってのと「思ったよりおもしろくないな」でした。
“涼宮ハルヒ”に対する事前情報としてはあの名台詞「ただの人間には興味ありません」とスニーカー文庫の巻末にあるスニーカー大賞募集の告知による涼宮ハルヒのビジュアル程度だったのでようやくストーリーをしることができました。

前評判が良かっただけに期待しすぎていたんですよ。
なので、こんなもんか、と思ってしまいました。

物語の展開が急というか盛り込みすぎじゃないかな、とも思いました。
キョンがハルヒに出会い、巻き込まれ、団員たちに告白され（恋愛的な意味にあらず）、殺されかけて、クラスメイトが砂と化して、異世界に連れてかれて……。

これもハルヒの“力”というやつの効果ってことなんでしょうかね。
ハルヒが望むままに人が集まっていくってやつの延長線上ってことなのかな、と思います。

キョンの一人称で語られる作品ですが、慣れるまでは違和感を覚えるかもしれません。
というのもどこまでがモノローグでどこからが台詞なのかが若干分かりにくいのです。
他のキャラクターの反応が返ってきて「あ、これは台詞だったのか」と気づく場面がありました。
あとは本当に高校生なのか疑いたくなるほど考え方が大人びてますね。
勉強的な意味でなく、頭のいい人なんでしょう、きっと。

プロローグなんかは「そうだよなぁ」と妙に納得できてしまいます。
確かに誰しもがそんなことを空想しますよね。

古泉がキョンに人間原理の説明をするところを読んでxxxHOLiCを思い出しました。
あれです、「どんなに奇奇怪怪な事も人が見なければただの出来事でしかない」ってやつです。

あとはそうですね。
ハルヒが割とすぐに「死刑よ！」っていうわけなんですが、それが嫌だからと言うことに従ってしまうキョンに違和感を覚えました。
実際死刑になんて出来るもんきゃないんだから無視すればいいのに、と。
いやそうしたらストーリーが成り立たなくなることもわかるんですけどね。

ラストのキョンとハルヒが閉鎖空間に閉じ込められるところも違和感がありました。
団員たちの助言によりやらかすわけですが、それでいいのか、と。

ていうか、キョンって最後まで名前が不明なんですね。
そういう語り部の名前が語られない作品って西尾維新さんの戯言シリーズと高田崇史さんの試験に出るパズルシリーズくらいしかしりませんが、いつか名前が出るんじゃないかと気にして読んでしまいますよね。

次巻も早いうちに読んでしまいたいと思います。

　　

買いたいとは思わない

暗き夢に閉ざされた街／あさのあつこ

今日本屋に行ったら、新刊コーナーにあさのあつこさんの本がありました。

「あさのあつこ　新シリーズ」みたいな帯だったので手に取りましたが、買わずに帰ってきました。

あらすじを読んだところ、どうやら女の子が主人公らしいことがわかりました。
それだけでまず、どうしようか悩みました。
あさのさんの作品って男の子主人公の作品はすごくおもしろいのですが、女の子が主人公になるといまいちな作品が増えるので。


どうしようか考えていたらふと既視感を覚えました。
目次を見たところやっぱりどこかで見たことがある……。

もしかして……、と思い巻末を見たところ、リメイク作品であることがわかりました。

時空ハンターＹＵＫＩ／あさのあつこ

「時空ハンターＹＵＫＩ」を改題し、加筆修正したものらしいです。

それがわかって速攻で戻してきました。


２００５年の作品なのですが、当時図書館に通いまくっていてカラフル文庫も片っ端から読んでいたんです。
これも読んだのですが、たいしておもしろくなかった記憶があります。
設定はかなりおいしかったですけど。

１巻が１月に２巻が９月に出て、それ以降続刊が今現在まで出なかったことを考えるとあんまり人気なかったのだろうな、とも思います。


ウィズ・ドラゴン〈1〉リンと虹色の竜なんかもつい最近新装版が出ましたしね。
絵は可愛くて好きですが、それとは別に「それってどうなの？」って思ってしまいます。

たかだか５年ほど前の作品です。
新装版出すほど年数もたってないし、合併したかなんなのか知りませんがわざわざ新装版にするほどじゃないと思うんですが。

そんなことするなら新作売り出した方がいい気がするのは素人考えなんでしょうかね。
「いい書き手」が少ないのかもしれませんが、新装版なんて小手先のものより続編の方が読みたいと思ってしまいました。

創竜伝なんかもあてはまりますね。いい加減新装版で時間稼ぎしないで続きを発売してくれたらいいのに。

　　

ＤＳ山村美紗サスペンス

DS山村美紗サスペンス 舞妓小菊・記者キャサリン・葬儀屋石原明子 古都に舞う花三輪 京都 殺人事件ファイル


思ったよりもおもしろくなかったな、っていうのが正直な感想です。

中古ソフトを９８０円の２００円引きで購入したのですがもっと安くなってからにすればよかったと思ってしまいました。

ＤＳサスペンスシリーズの第２弾らしいのですが、前作DS西村京太郎サスペンス 新探偵シリーズ「京都・熱海・絶海の孤島 殺意の罠」もやったことがあるのですが、それに比べて難易度も低く、おまけ要素もあんまり楽しめるものではありませんでした。

前作のおまけは短編推理クイズで本編を離れてもどっぷりミステリの世界につかれるものだったのですが、今回は京都や山村美紗作品に関するクイズ「スタンプラリークイズ」でマニアでもない限り楽しくないよなぁ、と思いました。

雑学手帳は本編内で重要になるものもあるのでいいのかもしれませんが、スタンプラリーはちょっと余計だったかな、と思います。 

「祇園舞妓小菊シリーズ」の小菊、「キャサリンシリーズ」のキャサリン、「赤い霊柩車シリーズ」の石原明子と山村美紗の代表キャラクターが登場する３つの独立した事件を解決していくという内容なのですが、プロローグが狩谷警部の休日でそこは「おぉ」となりましたが(笑)

それくらいですね。
推理小説や２時間ドラマをみなれてる人にはかなり物足りないと思います。

「これはそういうことだろう」ってのが物語の途中で特に考えなくてもわかります。
推理っていうほどレベルが高くありません。ほっといても勝手にストーリーは進んでいくので。

というか、考えてわかってしまっても物語が進むまで延々と文章を読み進めなくてはいけません。
分からなくてもせいぜいが４択。その４択も間違えてもペナルティはなく、何度でも選びなおせます。

ストーリーの進み方、というか登場人物たちの事件への関わり方もかなり強引な部分があるので、「おいおいそれはないだろう」と思ってしまうこともありました。

前作がそれなりに楽しめるものだっただけに残念でした。