世界平和は一 家団欒のあとに／橋本和也
星弓家の兄弟姉妹は、みんな特殊なチカラを持っている。
彩美。自称運び屋。魔法を自在に操る。
七美。無敵。宇宙スケールで戦うバカ。
軋人。生命の流れを思いのままにする。
軋奈。生命を創り出す力を持っていた。
美智乃。大食漢。回復魔法の使い手。
刻人。正義漢。優しいけれど怪力。
彼らは世界の危機をめぐる事件に巻き込まれ、否応なくそれを解決しなければならない星のもとに生まれていた。あるとき長男の軋人は自らと世界と妹の、三つの聞きに同時に直面するが ――。
世界平和を守る一家が織りなす、おかしくてあたたかい物語。
第１３回電撃小説大賞＜金賞＞受賞作！
先日購入したシリーズ第１作です。
あらすじにもある通り、特殊能力を持ち世界を救うことを宿命づけられた一家の長男が主人公。
父・耕作『元勇者』、母・志乃『元姫君』、
長女・彩美『災魔』、次女・七美『超越』、
長男・軋人『冒涜』、三女・軋奈『創生』、
四女・美智乃『祝福』、次男・刻人『破壊』
ってことらしいです。軋人のは本当は『冒?』なんですが、漢字ちゃんと表示されますかね？
読んで驚いたのですが、この物語あくまでメインは家族の話なんですね。
主人公たちの持つ能力がすごいんですが、それで世界を守るのが日常茶飯事らしく特別なことと認識されていないんですよ。
だからなのか、ヒロインを助けて云々ということよりも軋人が美智乃と刻人――家族と過去の己の罪と向き合って、運命というか神？に抗おうと決意するってのがメインに据えられているんですね。
正直なところ、軋人が軋奈を殺した云々の話には、ぞっとしました。
読んでいて「ゲームや漫画が与える影響」の話を思い出しました。
あれですよ、現実にはリセットボタンはないんだよ、ってやつ。
軋奈や美智乃の持つ能力。
それが神の領域に届いてしまうことで、神により排除される運命というならなぜ神はそんな能力を与えたのでしょうね。
美智乃は神の思惑を外れて能力が成長しすぎてしまったとかそういうことなのかもしれませんが、軋奈は違うじゃないですか。
能力が発言した時点ですでに神の領域だった、と。
神は何をしたいんだろう。
そのへんはこの後の巻で明かされるのかな？
正直、盛り上がり方が足りなかった気がしますが、それなりに楽しめました。
巻数は結構あるので、これからに期待したいと思います。
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