でたらめ妄想直オペラ/葉鳥ビスコ
アパートの押入れは、異世界に通ず――。
崖っぷち浪人生・ヒフミの元に、突如現れた謎の集団。
ヒフミを"調和者"と呼び、元王子・ヨクトが持つ"物体を再構築する能<オペラ>"を完成させないと元の世界には戻れなくなると言うが…!?
2人のシンクロで生まれるものは♥
桜蘭高校ホスト部の葉鳥ビスコさんの新作です。
ちょっと久しぶりですね。
3話が収録されています。
はじめの構想ではオムニバスにしようと構想されていたよう。
実際はそうはできなかったようですが。
驚異的な空間把握能力をもつ浪人生・ヒフミと、
異世界にあるアユタ国の元王子・ヨクトの物語です。
<オペラ>はあらすじにもあるとおり、物体を再構築する力。
イメージ力とそれを正確に具現化する形勢技術がないとまともに<オペラ>が使えないんだとか。
ヨクトはイメージ力が強すぎるがゆえに、失敗ばかりしていて。
予言で「調和者」であるとされたヒフミはヨクトに欠けたその空間把握能力を補い成長を促していく話です。
正直、<オペラ>ってハガレンの錬金術っぽいなぁと思って読んでました。
まあ、錬金術にしては等価交換の原則とか無視してるんで、エルリック兄弟が嬉々として飛んできそうだなぁとか益体のないこと考えてました(笑)
巻き込まれ系ファンタジーです。
ヒロインの適応力がすごいのは葉鳥さんの作品だといつものことですね(笑)
ヨクトが元王子なのは、ヨクトの父が崩御するときに王政が廃止されたから。
現在は国民から選ばれた議会が国を統治しているんだとか。
でもまあ、王政廃止されて10年ほどしか立っていないので街の人々からしたら「ヨクト様」なんですよね。
そして、その10年の間に議会はどんどん腐敗していっているんですね。
だからこそ、
「世界と世界の軸が平行に重なる時
扉は開き王の血筋の力に調和を与えし者来たり
調和者によりその者の力が完成する時
アユタの国に真の王が誕生する」
という予言がされるわけですね。
おもしろかったですが物語はなんとも中途半端なところで終わってしまいます。
2人の恋の行方も気になるし、腐敗した国政の中心・議会のあれこれなんかもいろいろありそうです。
3話で完結してしまったので、ヒフミとヨクト以外のキャラクターについてあまり語られていないのでちょっと残念。
もっと読んでみたかったです。
[1回]
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