
煙とサクランボ/松尾由美
想いよ届け。すべての謎が解かれる前に。
幽霊は幽霊で、名探偵になどなれません。それから大泥棒にも。
トレードマークは中折れ帽に渋いチェックの替え上着。女が淡い恋心を抱いた紳士は――――ゆうれいだった。設定の妙に舌を巻き、せつなさが胸に響く大人のミステリーをどうぞ。
兼業漫画家の立石晴奈がまだ幼かった頃、家族旅行中に放火にあい、実家が全焼した。燃えさかる家の中から写真が一枚出てきたのだが、写っていたのは家族の誰も知らない女性だった。この出来事は立石家にとって長年の謎となっている。馴染みのバーのバーテンダー・柳井にその話をすると、常連の炭津は「名探偵」だから話してみては、という。
晴奈は炭津に事件のあらましを語るのだが――。
図書館で借りてきました。
この方の作品を紹介するのは2作目ですが、また幽霊モノになっちゃいましたね。
あらすじにあるとおり、幽霊の紳士が探偵役をつとめる物語です。
まあ、厳密にいうとちゃんとした推理はしてないんで探偵というにはちょっと微妙なんですけどね。
思っていたより楽しめました。
幽霊が登場する話はよくありますが、この話の設定はちょっと珍しい感じでしたね。
珍しいというか、おもしろい。
設定が設定なので序盤は幽霊である必要性がわからなかったんですが、途中からなるほど、と。
幽霊であるからこそ、最後晴奈の元に写真が戻ったわけですね。
正直、途中で結末というか事件の真相は分かってしまいました。
炭津が姉に預けていたものもなんとなくわかったのはちょっと残念だったかな、と。
あとはそうですね。晴奈から炭津への淡い恋心はともかく、柳井さんから晴奈へのフラグが分かりませんでした。
炭津さんが口にしてえ、そうなの?と。
基本、炭津視点で物語は進むから仕方ないのかもしれませんが、もうちょっとフラグが立つ様を描いてほしかったなぁ、と。
でも、最後の様子からするとこの2人はいい関係を築くんでしょうね。
最後の炭津が消えてしまうシーンはちょっと泣きそうになってしまいました。
まあ、泣くにはちょっと足りなかったかな。
この方の作品、他にも何作か読んだことがあるんですが、なんか勿体ないんですよね。
設定は面白いんです。だけど、それが最高に生かされているかといえば微妙。
結構好きになれない作品も多いんですよね。
でも、設定は好きだからついあらすじに惹かれて借りてしまう(笑)
今回は楽しめたので良かったです。
[1回]
COMMENT