千年の雪 3/葉鳥ビスコ
千年もの未来に、俺は誰かをつれて行く事ができるのか――
血を吸わない吸血鬼・トウヤに、心臓病の発作から命を救われた千雪。
千年の生をひとりで生きるという彼のパートナーを志願するが、玉砕してしまう。
周囲の人々との触れ合いの中で変わり始めるトウヤ。
だが、それは千雪にとって…!?
先日紹介した
これの続編です。
まさか本当に続編が発売されるとは思わなかったです。
11~13話と
番外編が収録されています。
11話は雪女編、
12~13話はコトヌシ編、
番外編は闇丸視点の物語が描かれています。
この作品、本来ならば今巻に収録されている番外編+3話分の連載+αで3巻発売完結、だったんだとか。
ですが、その後描いたホスト部の読みきりが高評価を得て、全てそちらにシフトしてしまったんだとか。
ラスト3話連載のネームも担当さんに見せていたようですが、「千年の雪はまた今度」となったとのこと。
それがまさか10年もたつとは思いませんよね。
正直、私この作品の再開はあまり期待していなかったんです。
もし、桜ホスの連載が2年くらいで終わっていたら期待できたと思うんです。
でも、10年ですよ? 作者が描きたいといったところで許されるような状況じゃないだろう、って思っていたんです。
当時読んでいなくても私みたいに古本屋で1、2巻を手に入れたり出来るとはいえ、新規の読者さんからしたらとっつきにくいのは変わらないでしょうし。
そう考えると連載再開にOKを出した編集さん側もすごいですね。
内容的には、やはり1、2巻とは雰囲気が違うなぁというのが正直な感想です。
1、2巻はギャグを挟みつつも根底にシリアスがあるというか。笑ったりすることもあるんだけどそれでもちょっと暗めの印象だったんです。
ですが、3巻は千雪のキャラのせいなのかな?なんか前よりは明るい印象を受けました。
というか、千雪のキャラになんとなく違和感があるんだと思います。何が違うとははっきりいえないんですけど。
ただそれは「なんとなく」っていうレベルなので人によっては違和感を感じないかもしれませんね。
雪女編はともかく、コトヌシ編は学校裏サイトなんかが登場してますから、当時じゃ描けなかったでしょうし、それはそれでありかと思います。
「悪意と呼ぶにも値しない無責任な集団心理で吐かれた言葉」というのは、教科書の落書きとかそういうものよりもネット上での中傷の方がすごくそれっぽいですしね。
というか、なんか高見の見物してるあのカラスと謎の男があからさまに怪しすぎてすっごい気になる……。 あからさますぎるんで、次巻で触れられますねきっと。
あと気になったのは砂月の扱い。めっちゃ雑(笑)
2巻時点で結構そういう風向きはありましたが、今回それがものすっごく顕著です。
紹介すらまともにしてもらえないわ、いいように能力を使われるわ、もうね(笑)
初期はトウヤのライバルみたいなノリだったのに全然相手にされてない……。
まあ、最初から千雪ちゃんに相手にされてなかったですし、この物語自体、「トウヤが人の強さを知っていく話」とのこと。
なので砂月が二の次になるのもの仕方ないのかな。
この作品はあと1冊続く予定なんだとか。
まだ発売時期は未定のようですが、今度は10年空くってことはないでしょうし、気長に待とうと思います。
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