お面屋たまよし 彼岸ノ祭/石川宏千花
妖面は諸刃の剣
道をなくした者の、とどめきれない思いが、妖面を引き寄せる
読み出したら止まらない!次代ファンタジー
面作師(おもてつくりし)見習いの太良(たいら)と甘楽(かんら)は、山奥の村で四年に一度行われる、不老祭りに誘いこまれる。しかし、そこには決して知ってはならない秘密があった――。自分以外の誰かになれる特別な面、妖面がつむぎだす奇妙な縁を描いた、時代ファンタジー第2弾!
図書館で借りてきました。
これの続編になります。
【青い空と白い蝶】
【邪面の村】
【眠れない夜】
の3編が収録されています。
連作短編集なんですが、
【邪面】は中編になるのかな?
【青い空と】が60ページ、
【邪面】が150ページ、
【眠れない】は30ページと実際本を手にしてめくっているとバランスがめちゃくちゃ悪くてちょっとびっくりしてしまいました。
この作品に通しで登場するのは、面作師見習いの太良と甘楽なんですが、ほとんどの作品において語り部がこの2人ではなくゲストキャラなんです。
2人と出会い、妖面に関わることになった人物がたいてい語り部をつとめるんです。
そのためどうしてもその人物に目がいってしまうというか、太良と甘楽にまで目がいかないというか。
私の中で太良と甘楽のキャラがまだ確立してないのがちょっとつらい。
物語に入り込むのにちょっと時間がかかってしまいました。
まあ、あと数冊続けば、自然とキャラが理解できるようになるかな?と思います。
今巻に収録されている3話の中だと、
【邪面】も好きですが、
【青い空と】も結構好きです。
末蔵のために妖面をかぶることになった新太ですが、新太は戦場で荒魂化しかけるんです。
けれどギリギリのところを留まった新太って実はすごいんじゃないかな?と思うんですよね。
なんだか憎めないキャラの末蔵と新太でしたが、彼らは村で普通の生活を送り続けるかぎり幸せにくらしていけるんでしょうね。
メインである
【邪面】はなんていったらいいかな。
結構ダークというかホラー?リアルに想像したら普通に怖いというか気持ち悪いと思います。
が、描写が軽いからなのかそこまで気持ち悪いという印象は受けませんでした。
ちょっと軽いというかおバカっぽい万吉視点で進むせいもあるのかな。
正直、村人たちの行為よりも穏さんのセリフの方が怖かった。
「月のそばから落とせばその人たち、跡形もなく、ぐしゃってなるんだよ?」(p207)
このセリフを読んで、穏さんは人間じゃないんだということを改めて実感してしまいました。
どうやら12月頭あたりに3巻が出るっぽいです。
図書館で買ってくれるといいな。まあ図書館で買ったとしてもきっと読めるのは年明けとかかな?
ちょっと期待したいと思います。
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