迷子屋 3/木村りん
ある迷子の事件をきっかけに、霧也に語りかける謎の声。
霧也は、その声に誘われるように人が変わったような態度を見せ始め、だんだんすれ違っていく迷子屋の二人。
そんな中、霧也の過去に繋がる手がかりが見つかって…!
絆を巡る、切なく優しいハートフルファンタジー感動の最終巻!
昨日購入してきた作品を早速読みました。
3冊目なのでカテゴリ作りますね。
【第12話 出会い】
【第13話 はじまり】
【第14話 夢うつつ】
【第15話 誘うもの】
【第16話 こころの声】
【第17話 あるべき場所へ】
が収録されています。
今回は、
前巻で手に入れた『ババの日記』から手がかりを手に入れていきます。
また、橙乃と霧也の出会いが書かれています。
なんというか、小説家の白城悠里がものすっごい使い勝手のいいキャラだなぁ、と(笑)
取材(というかネタ探し)という名目で迷子屋の活動に首を突っ込みやすいし、初登場時から自分勝手と言い換えてもいいくらい強引な性格してるので、別行動をとろうとしている霧也を引っ張っていくのにも違和感ないんですよね。
途中で、不穏な雰囲気になってしまうんですが、最終的にはハッピーエンドになってよかったです。
霧也に妙な知恵をつけていたのは「過去の霧也」。
「過去の霧也」は2年前に迷子となって境界にずっといたわけですね。
迷子になっても少しの間は意識がある時期があるわけですから、その時期に霧也は新たな絆を、標しを結ぶことが出来たというわけですね。
だからこそ、「過去の霧也」と「今の霧也」が二重に存在するという不思議な現象が起きていたわけですね。
しかしながら、その絆のせいで「過去の霧也」と「今の霧也」が一つになることが出来ない、と。
うーん、難儀です。
でも、霧也は「過去の霧也」との統合をあきらめたわけではないので、いつかきちんと一緒になることが出来るのでしょうね。
だって、そのまま過去を切り捨てて、今の橙乃たちと新たに結んだ絆だけでも問題ないのにそうしないわけですし。
そういう意味では大団円というにはちょっと難がある終わり方なんですけど、無理にハッピーエンドにして無理な話になるよりは良かったかな、と思います。
これで完結ということですが、結構な好きな作風だったのでこの方の作品を見かけたらまた手に取ってみようと思います。
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