夏目友人帳 13/緑川ゆき
ある日、祓い屋一門の頭首・的場からの手紙を受け取った夏目。ところが、読む前にそれを無くしてしまう。内容がわからず不安を覚える中、的場本人が現れ! 彼の目的とは――!? 夏目と友人・西村&北本の出会いや交流を描いた特別編2話も収録。あやかし契約奇談第13巻!!
ずいぶん久しぶりの夏目です。
前巻を紹介したのはなんと1年も前のことでした(汗
【第52話 連鎖の陰 前編】【第53話 連鎖の陰 中編】【第54話 連鎖の陰 後編】
的場さんに協力して妖探しをすることになる話。
あらすじにある話ですね。
ついでに表紙の夏目はこの話で登場している式の恰好をしたもの。いわゆる式夏目ってやつですね。
的場さんからの依頼を受けることになるわけですが、本当にこの人悪い人ですよねぇ。
いたいけな少年の弱み(妖が見え、それゆえに苦労したことを塔子さんたちに知られたくない)につけこんで言うことを聞かせようとするわけですから。
的場一門の成り立ちや、右目の契約だとかそういうことを思えば、的場さんがああもえげつないことするのもわかるといえばわかるんですけど……。
それでも、見ていて夏目がすごく可哀想になるのでやめてほしいです。
あらすじにもある通り、夏目は的場さんからの手紙を無くしてしまいます。
手紙は結局、巡り巡って名取さんの手によって握りつぶされます。
が、それがすごく切なかったです。
「私にしてはガラにもなく長い手紙を書いたのですが」という的場さん。
夏目を思い、気が付かれないように暗躍・手紙を破り捨てて
「これでいいんだよ」と名取さん。
うーん。
夏目は優しい子だから、的場さんの手紙を読んでいたら彼に対する思いもかわっていたんではないだろうか、なんて思ってしまいました。
人だけでなく、妖も友と呼ぶ夏目からすると的場さんの所業はとても許せることではないのはわかります。
でも、そういう考え方や立ち位置が違っていても夏目なら友人にはなれるんじゃないかな、なんて夢想してしまいました。
まあ、現状では名取さんとニャンコ先生がセコムしてますから難しそうですが。
【特別編10 西村と夏目】
【特別編11 北本と夏目】
タイトル通り、夏目と二人の出会いを西村・北本視点で描いた話。
転校してきたばかりの夏目は人にも妖にも心許せる存在がいなかったわけです。
最近の夏目は優しい顔をすることが多かったから、妖に警戒しまくっている様が少し懐かしかったです。
結構忘れている設定も多かったです。
夏目だけでなく、田沼くんも転校生だったとかすっかり忘れてて「そういえば」ってなってしまいました。
その一方で、「ああこの自転車2人乗りは
燕のときのだな」とかわかるわけですから、自分の記憶がすっごい中途半端だな、と。
ここぞとばかりに笹田ちゃんが登場してちょっとびっくりしてしまいました。
アニメではちょこちょこ登場して夏目に迫る(笑)彼女ですが、原作では
時雨さまと邂逅した後、転校していっているんですよね。
進路に悩んだりしている彼ら。
西村は地元を出たい、北本は家族のことを思い進路を変更しようか考えて、夏目は今の幸せを失いたくないから不変を望む、と。
この作品自体はサザエさん方式だとは思うのですが、いつかは終わりが訪れます。だから彼らには少しでも幸せな道に進んでほしいです……。
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