黄金(きん)の烏/阿部智里
人を喰う大猿の出現!
若き主従は世界を救えるか――
書き下ろしスペクタル長編
八咫烏の一族が支配する世界山内で、仙人蓋と呼ばれる危険な薬の被害が報告あれた。
その行方を追って旅に出た、日嗣の御子たる若宮と郷長のぼんくら次男雪哉が、最北の地で発見したのは、何と村人達を襲い、喰らい尽くした大猿だった。
生存者は小梅と名乗る少女がひとりだけ――。
一体、この世界で何が起こっているのだろう?
図書館で借りてきました。
これで阿部さんの作品は3冊目になるのでカテゴリ作りますね。
『
烏に単は似合わない』『
烏は主を選ばない』に続くシリーズ3作目です。
しばらく前に図書館で購入していたみたいなんですが、いつ行っても借りられていて。
ようやく借りることが出来ました。
タイトルの通り、前2作では不明というかよくわからなかった「真の金烏」について触れられています。
今回は雪哉の故郷・垂水に「仙人蓋」が流れていることがわかったところから始まります。
それを調べに若宮が身分を隠して現れる訳ですが、もう初っ端から怪しすぎて「これ絶対若宮だろ」と(笑)
さらに、時を同じくして大猿による被害も見つかり、雪哉は故郷を守るため若宮と共に調査をしていくことになります。
個人的に、雪哉が再登場してくれたのがすごく嬉しい。
前作のラストがラストだったので、雪哉はもう登場しないのだろうな、と思っていたのです。
だから、舞台を雪哉の故郷である垂水にうつすことで無理なく登場させ、巻き込んでいくってのには思わず「なるほど」と。
ついでに浜木綿と真赭の薄なんかも登場してます。
この2人、中々に美味しい位置にいるよなぁなんて思いながら読んでました。
元々それっぽい描写はありましたが、浜木綿がかっこよくて辛かったです(笑)
面白かったです。
ミステリといっていいのかは謎ですが、十分楽しめました。
(メタ要素として、冒頭の謎の少女の描写=……なので気づく人は結構序盤で気づくかも)
今まで引っ張ってきた真の金烏については多少情報開示されましたが、今度は謎の大猿が登場しました。
あの言葉を解する井戸の中の大猿はいったい何なのでしょうね。
そして、今までただの(というと語弊がありますが)和風ファンタジーだと思っていたこの作品。
実は現代のどこか見えない所に存在するある種異世界みたいなものだということが判明しました。
ちょっとびっくり。
4冊目があるかは不明ですが、きっとあってくれると信じています。
3年後の、元服を終え青年に成長した雪哉が見たいです(笑)
その時に小梅がどうなっているかも気になるなぁ。
気長に待ちたいと思います。
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