すごい中途半端な巻なのですが、読み終わったので紹介したいと思います。
少年陰陽師 禍つ鎖を解き放て/結城光流
時は平安。晴明の末孫・昌浩の目下の悩みは、彼をなにかとライバル視する陰陽生・敏次の“嫌み攻撃”。相棒もっくんに慰められつつ仕事に励む昌浩のもとに、右大臣・行成が怨霊に襲われ死の病に冒されている、との報がはいる。だがその事件の裏には、この怨霊を呼び起こした謎の術者の存在があって――。晴明の式占にあらわれた“不穏な影”とは何か?
表紙は昌浩ともっくんをセンターに、後ろに六合とじいさま(若)です。
いつものように夜警にでかける昌浩。
その上方で繰り広げられる紅蓮と六合のやりとりには笑ってしまいました。
そこをじいさまが見守っていたので余計ですね。
敏次に“七光り”と言われて落ち込む昌浩がやっぱりかわいそうだと思いました。
いくつもの秘密抱える昌浩にはいえないことが多くて、弁明のしようがなく。
まだ13歳だったかな、それくらいの年ごろでそういうことに開き直れるほど図太くはなれないでしょうし…。
敏次殿も好きなので、「もっくんもっとやれ!」とは思えないのですが、これからもいろんなことに巻き込まれていくことを考えれば慣れるか受け流すすべを覚えないといけないんでしょうね。
敏次殿に限らず、これからも昌浩をやっかむ人間は多く存在するでしょうから。
市に出かける彰子のくだりは全体的にほのぼのです。
彰子についていってくれるよう頼まれた六合と、それに納得いかない青龍のやりとりとか、「りっくん」呼びとか。
昌浩の加冠役をつとめる行成を襲う怨霊。
その怨霊は調伏を行った敏次にとりつき呪詛を行ってしまう。
昌浩の選択は甘いのかもしれないとも思うんですが、「誰にも負けない、犠牲にしない、最高の陰陽師」を目指す昌浩ですから最後まであがいてもらいたいとも思います。
怨霊と対峙する昌浩たちと時を同じくして、晴明も謎の術者と対峙します。
風音。
晴明の占をことごとく妨害し、怨霊の封印をとき、手助けをした人物。
彼女は誰かの命を受け、晴明の命を狙っているようです。
“風音編”と銘打たれたシリーズのようですから、彼女がキーパーソンになるのは間違いないでしょう。
次巻以降また昌浩がぼろぼろになるんでしょうけど、楽しみです。
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