EME BLUE 2パンドラミミック/瀧川武司
「君はなんのために戦う?」
黒い外套をまとった男は問う。
「………。命のためだ」
少年は銃を持つ手を握りしめ、静かに、力強く答えた。そう、紅は自分の意思で、この戦場に立っている。男の背後に立っている。男の背後にある、その箱を奪取するために。
闇の世界で殺しや盗みを請け負うミミック使いの親子――浬川槃三と升ノ介。二人が日本に持ち込んだ禁断のアイテム。それは開くと世界が滅亡するとされる“パンドラの箱”だった。怪異を闇に葬る秘密組織・EMEのGA(エージェント)紅と茜は、箱の行方を追うのだが……。ハイ・エッジ・アクションBLUE編――第二弾!
EMEシリーズ現代編第2弾です。
パンドラは『パンドラの箱』のパンドラ。
ミミックはドラクエに出てこなかったかなぁ。宝箱かと思ったらモンスターだった!ってやつ。
この作品ではミミックは箱や壷などに巣を持つ化け物ってところでしょうか。
今回は蒼さんはほぼ出てきません。
最後のほうに少しだけ出てくるのみです。それなのに挿絵があるってのはすごい。
新キャラは桃と火野さんと丁子さんくらいでしょうか。
火野さん結構好きです。
そして、桃の紅に対するからかいっぷりがすごいですね。
精神感応系の能力者って基本的に戦闘に向いてないんですが、彼女はどうしてるんでしょうか。
パートナーが強いのか。どんな能力だったかなぁ。
パンドラの箱に何が入っているのかとかそういうことはともかく、ミミック使いの子・升ノ介が可哀想でした。
父1人の手によって大事に育てられた升ノ介。
その理由は新しく作るミミックの媒体にするため。
この話に出てくるミミックとはキメラみたいな複数の動物を合わせたような姿をしています。
表紙に載っている化け物はこれです。
鰐の頭と尾、ライオンの胴体、鷲の翼と爪を持ち、首の付け根からはタコの足が伸びる――。
あらためて想像するだけでも気持ち悪いです。
まだ升ノ介が連れているミミックのほうが見た目的にはいいですね。
黒豹の体、蝙蝠の羽、甲虫の目と爪を持ち、ウニの棘を持つ――。
……というか普通にカッコいいんじゃないでしょうか。
升ノ介くんが何を思い、茜ちゃんと紅と一緒にいたのか。
紅の言葉を受けて、はじめての反抗をする升ノ介には思わず「おお」とうなってしまいました。
紅が自分と茜ちゃんと升ノ介の3人を、黒部とスミレ、そして昔の自分とを重ね合わせます。
黒部はEMEを出て生死不明。
スミレのもとを訪れているらしいので生きてはいるんですよね。けど「もう笑うことはない」。
うーん、植物人間とかそういうことになってるんでしょうか。
塔の事件とはいったいなんなんだ……。
謎の人物たちの会話が途中挿入されてます。
全てを把握しているであろう台詞がいろいろと考えさせられます。
塔の事件までやってほしかったなぁ。
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