放課後はミステリーとともに/東川篤哉
霧ヶ峰涼はエアコンではない。
鯉ヶ窪学園高等部の名探偵である。
『謎解きはディナーのあとで』で東川作品の魅力に気ついた皆さん、気付くの遅すぎ! 脱力かつ衝撃のトリック、そして、華麗なる伏線の妙。
世間がやっと東川篤哉に追いついた。
地元の図書館にある東川さんの作品って、この作品と『
謎解きはディナーのあとで』の2冊だけなんですが、どちらもずっと貸し出されていて。
今回ようやく借りて来ることができました。
そのうち『謎解き~』も借りてきたいです。
『霧ヶ峰涼の雪辱』
『霧ヶ峰涼の逆襲』
『霧ヶ峰涼と見えない毒』
『霧ヶ峰涼とエックスの悲劇』
『霧ヶ峰涼の放課後』
『霧ヶ峰涼の屋上密室』
『霧ヶ峰涼の絶叫』
『霧ヶ峰涼の二度目の雪辱』
の8つの作品が収録された短編連作集です。
表紙を開いて、口絵、目次と進むと上部にタイトルが書いてあるページがあるんです。
そこの下部に「『雪辱』から読むように」という旨の注意書きがされているんです。
たとえ注意書きがされていなかったとしても順番通りに読む人間なので素直に読み進めていったんです。
見事にだまされました。
だから『雪辱』から読まなくてはいけなかったんですね。
帯の文句では「霧ヶ峰涼は名探偵である」と断言されていますが、作品を読み終わった感想としては名探偵ではないんじゃないかなぁ、でした。
確かに探偵ではあるんでしょう。
でもまだ修行中というか“名”をつけるのは過大評価っぽいというか。
「探偵修行中の探偵助手」っぽいなぁ、と思いました。
他人に推理を訂正されているようでは、と思うのです。
でも愛川晶さんの代理探偵シリーズで描かれる名探偵・
根津愛(女子高生探偵)も父親に結構訂正されていたような印象がありますし、いいのかな?
まあ、私が根津愛シリーズを読んだのはもう5年以上前なので間違って覚えているのかもしれませんが。
内容的には結構軽めのミステリーです。
霧ヶ峰涼(エアコンみたいと言われるとキレる)が学園を中心にしておこる様々な事件に介入し、推理していきます。
そういえば、重体になることはあっても、人が死ぬことはなかったと思うので、人が死ぬミステリーが苦手な人にもいいかもしれません。
ぶっちゃけた話、霧ヶ峰涼が実際にいたらかなりめんどくさい人物なんだろうな、と思います。
二次元の人物だから許せるというかそんな感じ。
暴走しがちな霧ヶ峰をうまくコントロールできる人物が現れてほしいですね。
個人的には荒木田くんにお願いしたい(笑)
彼、結構好きです。
あとはそうですね。探偵部の部長が気になります。
探偵部のメンバーが何人かいるらしい描写はされていますが、正体が明かされることはなく。
これシリーズ化してるんですかね?
いまいちよくわかりませんが、ちょっと読んでみたいです。
前述の通り、図書館には2冊しかない東川作品ですが、もう少し読んでみたいなぁっていうのが正直な感想です。
嫌いではないです。どちらかというと好きな部類に入るんですが、自分で買って読むのはちょっと遠慮したい(蔵書がハンパないことになってるので……)。
高校の図書室なんかにはある程度そろっていそうですが、高校生じゃないので借りられませんしね。
図書館でもう少し買ってくれることを願います(笑)
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