大江戸妖怪かわら版 1 異界より落ち来る者あり/香月日輪
三ツ目や化け狐たちが平和にクラス、おだやかな魔都「大江戸」・かわら版屋の少年・雀は、この町に住むたったひとりの人間だ。面白話を求めて奔り回る雀のところに「人間を拾った」との一報が。おかっぱ頭の童女が、人間の住む異界から落ちてきたというのだ――。朗らかな妖怪たちの姿を鮮やかに描いた、優しい人情噺。
昨日の購入した大江戸妖怪かわら版です。
これの略称って「大江戸」でいいのかな?
あらすじにもあるとおり、主人公は雀。
名前の響きがすごくかわいらしいのですが、少年らしいです。
舞台は江戸ではなく「大江戸」。
江戸と良く似ているものの、そこに住むのは人間ではなく、妖怪たち。
彼らが生き生きと暮らす様が描かれています。
脳内イメージは
異界繁盛記ひよこや商店な感じ。
あれも江戸っぽい町並みに、動物っぽいのから人型のやらよくわからない生物たちがいっぱい生活していたので。
この作品は香月さんの作品だからと内容もまともに知らずに購入したのですが、なかなか楽しめました。
江戸っ子?の言い回しがどうも馴染みのないものなこともあり、はじめのうちは中々物語に入り込めなかったんですが、お小枝ちゃんが登場したあたりから徐々に引きこまれていきました。
奥付をみると1巻は上下巻の上巻にあたるらしく、中途半端なところで終わるのではないかと危惧していたのですが、ちゃんとキリのいいところで終わってるので、これだけ読んでも問題ないと思います。
お小枝ちゃんが大江戸の町を楽しむ様は読んでいて微笑ましかったです。
すごく子どもらしいというか、素直でいい子でした。
香月さんの作品でいつものように描かれている対比ですが、今回は雀とお小枝ちゃんかな。
2人は意図せず、大江戸に落ちてしまいました。
そして、親切な住人拾われ、大江戸に残るか元いた世界に戻るかの選択を迫られた、と。
お小枝ちゃんは戻ることを選択し、大江戸に残ることを選択していた雀は過去をいろいろと思い出した、といったところでしょうか。
雀が大江戸に落ちてきたのは数年前ってことなんだと思うのですが、鬼火の旦那に拾われたときの有様からしていったどれだけ荒んだ生活をしていたのか……。
お小枝ちゃんが元いた時代は普通に江戸だと思うのですが、雀は比較的現代に近いですよね。
ソーダやケーキ、さらにはエリートなんて言葉が出てくるのですからお小枝ちゃんと同じ時代ってことはぜったいない。
戦国時代だとか時代的にそういう反応が出来なければ命に関わるような時代ならともかく、現代でそれってのはすごくいやだなぁ。
解説によると雀の過去はまだちゃんと語られていないのだとか。
いつか語ってほしいな。
魅力的なキャラクターが多数登場するのが香月さんの作品の特徴ともいえますが、今回はまだ顔見せ程度であんまり活躍らしい活躍してないなぁ、と。
桜丸とか鬼火の旦那とかすごく気になるんですが。
出番こそほとんどないんですが、解説されてる田端しづかさんがすごいプッシュされている八丁堀の同心・百雷なんかもちょっと気になりますね。
これから活躍してくれるだろうし、楽しみです。
2巻の発売は少なくても来年2月以降になるんだと思うんですが、楽しみに待ちたいと思います。
[1回]
COMMENT
コメントさせていただきました
Re:コメントさせていただきました
いっぺんに登場されるとこちらも混乱してしまうのでこれぐらいがちょうどいいんでしょうけどね。
私は今のところ、これといった押しメンはいないのですが、その気持ちわかるような気がします(笑)
拍手の方にもコメントいただいたようでありがとうございました<(_ _*)>