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退出ゲーム/初野晴
「わたしはこんな三角関係をぜったいに認めない」――穂村チカ、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。上条ハルタ、チカの幼なじみのホルン奏者。音楽教師・草壁先生の指導のもと、吹奏楽の"甲子園"普門館を夢見る2人に、難題がふりかかる。科学部から盗まれた劇薬の行方、六面全部が白いルービックキューブの謎、演劇部との即興劇(フリーエチュード)対決……。2人の推理が冴える、青春ミステリの決定版、"ハルチカ"シリーズ第1弾!
随分前に購入していたものを引っ張りだしてみました。
図書館から借りたものはほぼ手つかず。
……先にそっち読まないとだめですよね。
【結晶泥棒】
【クロスキューブ】
【退出ゲーム】
【エレファンツ・ブレス】
の4つの短編が収録されています。
あらすじにある通り、チカちゃんとハルタがメインの連作青春学園ミステリです。
殺人事件は起きません。せいぜいが窃盗?の日常の謎……というには扱っている内容がちょっと特殊すぎる気もするんですが、まあそんな感じ。
読んでいて
はやみねかおるさんを思い出しました。
夢水清志郎シリーズと
虹北恭助シリーズを足して2で割った感じとでもいえばいいのか。
どちらかというと虹北恭助のが強いかな?
変人というか、キャラの濃い人物たちが次々と登場するのもそれっぽいかな、と。
キャラはまったく似ていないんですが、吹奏楽部の部長は片桐さん。
亜衣ちゃんの所属している文芸部の部長はかつて片桐先輩で、ちょっと「おっ」ってなってしまいました(笑)
閑話休題。
物語は基本的にチカちゃんの視点で進みます。
チカちゃんは行動力も度胸もある子ですが、けして探偵になれる子ではないものの事件の側に存在している語り部ですね。
けして頭のいい子とはいえないかもしれませんが、
【エレファンツ・ブレス】の最後といい、大事なところはちゃんと外さないいい子なんでしょう。
比較的読みやすいです。
読んでいて驚いたのが、ハルタとチカちゃんが幼なじみであり、シリーズ名も"ハルチカ"とCP名っぽくされているにも関わらず、この2人の間に恋愛感情が微塵もないことでしょうか。
あらすじにもある「三角関係」。……最近はそういうのもありだとはいえ、びっくりしました。
まあ、後半になると三角関係についてはあまり触れられておらず、事件を介して部員が増えていく様がメインになっていっているのですが。
というか、ハルタは中性的な美少年ってことになってますが、あんまりそんな感じしませんでした(笑)
まあ、チカちゃん視点だと、慣れていること、恋愛感情を抱く余地がないことなどから見た目を気にしていないってことなのかなー。
シリーズ化されており、最新は4巻くらいまで出てるのかな?
3人の関係が今後のどのように変わっていくのかが気になります。
途中までは文庫化されているので今度買ってきたいと思います。
図書館にも初野さんの作品が何冊かあったのでそちらも今度見てこようと思います。
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