千年の雪 1/葉鳥ビスコ
生まれつきの心臓病で余命いくばくもない千雪はある夜、血が嫌いな吸血鬼トウヤと出逢う。一生その血を吸う人間=パートナー無しで、一人で生きていくと言うトウヤ。彼の真意とは…!? そして千雪の決意は――!! 幼なじみの中の別人格との恋を描く「一瞬間のロマンス」も収録。
千年の雪 2/葉鳥ビスコ
血を吸わない吸血鬼トウヤによって、心臓病で死にかけた命を救われた千雪。千年の恋を予感し、トウヤと2人で生きていく決意をしている。そんな2人に千雪に惚れた狼男・砂月が加わり、3人は何と欧州(ヨーロッパ)スキー旅行(ツアー)へ!! だが早速、雪山で遭難し、謎の洋館へ避難する事に…!?
来月、
3巻が発売されるので、復習がてら引っ張り出しました。
これで葉鳥さんの作品紹介記事3つ目ですね。カテゴリ作ります。
桜ホスの葉鳥さんの作品なんですが、実はこの作品かなり長い間放置されていた作品でした。
2巻発売後、桜ホスの人気が出て作者さんがそちらにかかりっきりになってしまったんですね。
千年の雪の2巻でも「おかげでもう少し続きます」とありましたし、何巻だったか忘れましたが桜ホスでも「いつか続きは描く」と書かれていて。
単純に好きな作品だということもあり、あまり期待せず売ることもなく待ち続けていたんです。
桜ホスが少女漫画としてはかなりの長期連載作品となったこと、桜ホス終了後に
でたらめ妄想オペラが発売されたこともあり、「千年の雪の続編に関しては言葉だけだったんだなー」とちょっとがっかりしていたんです。
が、いつだったかな?雑誌掲載の話を知り、今回の単行本化です。
2巻発売が2002年8月。3巻発売が2013年8月ですから丸11年ぶりです。本当にすごいです。
物語は、病弱だった少女・千雪が吸血鬼・トウヤによって命を救われ、狼男・砂月と知り合い、3人でワイワイ交流していく話です。
時々、桜ホスなんかと比べるとシリアス要素が多めですが、面白いです。
吸血鬼といいながらも、トウヤは血を飲んだことがないという変り種。
血を飲む相手というのは、吸血鬼のパートナーとして1000年とも言われる吸血鬼の長い生をともにする人物ってことなんですね。
トウヤはオレ様だけど、優しすぎるんです。
だから、パートナーがいつか長すぎる生に絶望してしまうことを憂いているんですね。
そのため、随時血が足りてなくて貧血気味。
この手の現代版吸血鬼ネタだとよくある「輸血パック」とか「吸血鬼たちが作った栄養剤」みたいなものがこの作品には登場してないんですよ。
それでもトウヤの貧血は解消できると思うんですが、その辺どうなんだろう?と今回読み返して気になりました。
砂月くんは、おばあちゃん思いのイケメンワンコ。
自分が異質な存在であることを受け入れているから「普通」であろうとしていました。
この辺は
ワイルドハーフの田中くんと近いものがありますね。普通の方向性はだいぶ違いますが。
自分を叱咤し受け入れてくれた千雪に惚れるわけですが、この子が報われることはないんだろうなぁ。
送り狼的な意味では一番危ない(笑)
それに対抗するためというか、千雪の絶対的な味方としての闇丸なんでしょうね。
トウヤの従者のコウモリなんですが、変身出来るので、普段はマスコットとして、小バージョンで慰め、大バージョンで救うと見事な役割分担をしてくれるわけですね(笑)
個人的には桜ホスよりも好きだったりしたので、今回の3巻発売は本当に嬉しい。
3巻で完結せず、もう数巻続いてほしいのですが、難しいですかね?
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