百千さん家のあやかし王子 1/硝音あや
天涯孤独な百千ひまりは、16歳の誕生日に送られてきた遺言状によって"百千家"を相続することになった。
しかしそこには葵と名乗る少年と、紫、伊勢という先住民(!?)が!!
どうやらその百千家は、この世とあの世の挟間に建っている、ちょっとあやしい家らしい…
そして百千家の中心人物・葵にも何か秘密があるらしく――。
あやかし系和風ファンタジー開幕!!
作者さんの名前読めなくて「しょうね?でいいのかな」とか思っていたんですが、「しょうおと」と読むようです。
一見じゃわからないけど、結構そのままですね。
【其の一 百千さん家のあやしい人々】
【其の二 ひまり、家主になる。】
【其の三 桜吹雪は恋の嵐!?】
が収録されています。
あらすじにもあるとおり、主人公の少女・ひまりが屋敷を手に入れます。
そこには既に3人の少年が住んでおり、ひまりは3人を追い出そうとするものの逆に追い出されそうになります。
それというのもこの屋敷は、あの世とこの世の挟間に建つ家で妖たちが大量に住んでいたんです。
さらに少年たちもただの人ではなくて。
葵は家を守るために鵺"オマモリ様"に変身してしまう変わった人、紫が水蛇(みずち)、伊勢が猩々なんだとか。
私てっきり妖狐だと思っていたんですよね。
でも実際は「耳は猫、背からは鳥の羽、そして狐の尾を持つ異形の妖」という紹介なんです。
一般的によくある鵺とは違うのでちょっと首を傾げてしまったんですが、Wikipediaを見るとそういうパターンもありっぽいですね。
そうして4人は生活を共にしていく中で少しずつ歩み寄っていく、と。
うーん、やっぱり書籍封入のちらし(?)を見ての購入はあたりはずれがありますね。
自分の知らない本の情報もあるので結構見るの好きなんですよ。
で、今回はそれを見て「絵綺麗だし、設定好きだし、何これ面白そう」で購入したんです。
そこまでじゃなかったかなぁ、ってのが正直な感想です。
まあ、まだ本当にさわりだけなので続けば面白くなりそうな素地はあるんで、少なくてももう2、3巻は買いますけど。
3話だけでいくつも疑問がありますからね。
・「百千の血」とは何なのか。
家を守るために必要なものであり、妖怪に狙われるものでもあるよう。
百千の血と鵺化の妖力に親和性があるとかありそう。
「百千」のものでない葵に妖力が注がれているから、体にあわなくて具合が悪くなるとか?
・遺言状を送ってきたのは誰なのか。
天涯孤独で赤ん坊のころから施設で育ったらしいひまり。
そんなひまりに遺言状を送ってきたのは誰なのか、また誰から相続したものなのか。
・なぜ葵は「オマモリ様」に選ばれたのか。
屋敷が「百千家」ということもあり、本来であれば、ひまりが「オマモリ様」についていたと考えるのが妥当。
しかし偶然なのかなんなのか現状は何故か葵が「オマモリ様」の地位についている。
「オマモリ様」であるがゆえに「そちら側に戻れない」んだと考えると、ひまりに「オマモリ様」のお役目を譲ったら戻れるのか?
というかまずどういう場合に「オマモリ様」は変わるのか。
などなどちょっと考えただけで結構出てきますね。
一読しただけでこれなのでもうちょっとちゃんと読めばもっといろいろありそうです。
あとキャラに感情移入出来なかったのがちょっと辛かったです。
ひまりに感情移入すべきなんでしょうけど、できなくて。
すごい自分勝手に見えてしまったんですよ。
これでひまりが家を出て行かない理由が「意地でも居座ってやる!」じゃなくて「ここから追い出されたら困る!」みたいな設定だったらまた話は違ったかもしれないな、と思いました。
最後の引きで「僕はこの家から出られないんだ」とあるんですが、予想通りというかなんというか。
特に驚かなかったです。ええ。
次巻発売は今秋10月26日らしいです。
地元で取り扱ってくれるといいな。
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