若様組まいる/畠中恵
明治二十三年、ミナこと皆川真次郎は西洋菓子屋を開いた。店には、旧幕臣の「若様組」の面々や、女学校に通うお嬢様・沙羅が甘い菓子と安らぎを求めてやってきた。その少し前――。
徳川の世であれば、「若殿様」と呼ばれていたはずの旧幕臣の子息・長瀬達は、暮らしのために巡査になることを決意。今は芝愛宕の巡査教習所で訓練を受けていた。
ピストル強盗の噂が絶えない物騒な昨今、教習所でも銃に絡む事件が起きた。若様組の他、薩摩出身者、直参で徳川について静岡に行った士族達、商家の子息達、さまざまな生徒に、何やら胡散臭い所長や教員を巻き込んで、犯人探しが始まる。
図書館で借りてきました。今回借りてきたのってこれで最後なんですが、次借りてこれるの来週になっちゃうな。
明日は図書館いけないし、月曜からは図書館やってないし。残念です。
以前紹介した
アイスクリン強しのシリーズです。
アイスクリン強しを読んだ数日後で本屋で見かけてすごく読みたかった本です。
今回ようやく図書館で見つけて。借りようとすでに持っていた本戻しましたもん(笑)
タイトルだけ見て続編と決め付けていたのですが、実際は続編というには微妙かも。
あらすじにもあるとおり、この話はアイスクリンより3年ばかり過去の話なんですね。
アイスクリンでは不良巡査として登場する若様組の面々がまだ巡査になっていないのです。
巡査となるべく教習を受けている中、事件に巻き込まれた様子を描いた話です。
多分、表紙で一人だけ制帽を被ってない棒を持っている青年が園山さんだと思うのですが、園山さんと長瀬と福田さんのやりとりが読んでいておもしろかったです。
はじめの登場人物紹介で年齢や元○○石だとかそういうことが書かれているのですが、それを見たときはなぜ長瀬が若様組のリーダーなんだろう?と首をかしげたんです。
年齢なら福田さん(高木さんもですが)が23歳で1番上だし、石高なら園山さんが1番なんですよね。
その疑問は作中でも疑問視されて説明されていましたが、年齢だとか身分とかそういうのではなく、能力でだったんですね。
ミナこと真次郎が可愛かったです。
前作でも主人公というにはちょっと影が薄かった気がするのですが、今作は完璧脇役です。
でも、読んでいて若様達はみんなミナのことだけは特別扱いというか、本当大好きなんだなぁ、と思ったものです。
というか、ミナがかなりすごい人になってますね。
料理も出来て、英吉利語が出来て、頭もまわるし、アイスクリンで女の子たちに騒がれていたことからして顔もそれなりにいいのでしょう。
さらには今回ピストルの腕までもいいことが明かされます。
仲間である若様達にも怖れられている園山さんをびびらせるだけの腕前っていうんですから、本当にすごいですね。
でも1番すごいのはギスギスしていた同室者たちの関係を緩和させたミナのバラ・ブリス――菓子作りの腕なんだろうな。
はじめはただの嫌みな教師にしか見えなかった幹事。
読み進めていくに従って、その印象は変わっていきましたが。
長瀬達が巡査となったときに上司となったらおもしろいだろうなぁ、とか思いましたがその辺どうでしたっけ?
アイスクリンとか読んだの結構前な上、図書館からの借り物で一読しかしてないので、すっかり忘れてしまってます。
文庫が出たら買いたいとは思いますが、きっとまだまだ先なんだろうな。
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