0能者ミナト 7/葉山透
葉山 透が贈る現代の伝奇譚
七人ミサキ――入れ替わる魂を求め永遠に彷徨う、悪夢のような怪異。三年前、孝元が助力を求めたのは、今と変わらず横柄で奔放な湊だった。
依頼人を守るために汲々とする総本山の手練れをよそに、まったくやる気を見せない湊。
すでに悪名高い“霊能者”に、僧達は忌々しげな態度を隠さない。だが、湊の自由な発想とアプローチは次第に皆の心を捉えていくのだった。
連鎖する呪い、そしてその数の多さ。永遠に途絶えることがないという怪異に、湊は思いもよらない方法で迫る。
しばらく前に購入していたんですがようやく読むことが出来ました。
読み始めてしまえば、2時間かからなかったんでこれならもっと早く読めたなぁ……。
【第1話 七】
【第2話 化】
【閑話 占】
が収録されています。
【七】は
6巻に引き続き、過去編といってもいいでしょう。
今回は孝元さんとの仕事なわけですが、こちらは出会いから数年は立っていそうな雰囲気ですね。
あらすじにもある通り、今回湊たちが相手にするのは「七人ミサキ」。
七体の霊が列をなし、人を殺すと殺された人間が最後尾に加わり、一番前の霊が成仏できるというもの。
この作品で取り扱ってきた怪異の中では比較的メジャーな怪異といえるのではないでしょうか。
湊の取った手段は目先の小事か後の大事かってことなんですけど人の命がかかっているとこの判断は中々下せないよなぁと。
ラストで沙耶が湊の功績だとしらずに、湊の試みが上手くいったことを知らせてくれるわけですが、なんとなく良かったね、と言いたくなりました。
【化】は化け狸の話。
まあ、そうだろうなと思う話の展開でした。
意表をつくという感じはあまりありませんでしたね。
ですが、やっぱりこういうSFチックな話ってどうも苦手です……。
卵が先か鶏が先かとかそういうの考えてぐるぐるしちゃうわけですよ。
子狸の描写が可愛かったです。
【占】はいつもの喫茶店で大人3人の話。
いつもなら次の怪異についての前フリがあるんですが今回それはなし。
ただ、湊の遅刻話からの時計についての話になって、時計占いの話をしているという状態。
これ何の意味があったんだろう……。
次巻の発売時期は不明。いつものことながらこの作品についてはもうちょっとこまめに新刊情報をチェックしようと思いました。
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