ことり屋おけい探鳥双紙/梶よう子
江戸は日本橋小松町の飼鳥屋。
商うのは「鳥」、持ち込まれるのは「謎」。
失踪した夫を待ちながら、店を切り盛りするお内儀(かみ)、おけい。
彼女が解きほぐす奇妙な事件と切ない恋……。
新・時代小説シリーズ
「あなたには、もう小鳥は売りません」
行方知らずの夫の帰りを待ちながら、鳥を商う「ことり屋」を営むおけいは、突然店に現れた美しい娘が、鳥にまったく興味がないにもかかわらず、紅雀、相思町、十姉妹と次々ともとめていく様子を不審に思う。娘が鳥を会続ける理由とは……?
おけいの元へ持ち込まれる鳥にまつわる不思議な出来事と、その裏に隠された恋模様を描く連作時代小説。
図書館で借りてきました。
新刊コーナーにあったんですが、本当に発売してそんなに立っていない本なんですね。
【第一羽 かごのとり】
【第二羽 まよいどり】
【第三羽 魂迎えの鳥】
【第四羽 闇夜の白鳥】
【第五羽 椋鳥の親子】
【第六羽 五位の光】
【第七羽 うそぶき】
が収録されています。
帯にもあるとおり、短編連作ですね。
おもしろかったです。
時代小説ですが、するする読めました。
そう分厚い本じゃないってこともありますが、2時間くらいで読了できました。
飼鳥屋って初めて聞きましたが、タイトル通り小鳥屋あるいは小鳥限定のペットショップみたいなものだと思えばいいようです。
ついでに、花鳥茶屋は現代でいうところの猫カフェならぬ鳥カフェといったところでしょうか。
これって、実際にあったものなんでしょうか?
あまり詳しくないので、作者の創作でも気づけないんですが……。
作中に曲亭馬琴こと滝沢馬琴が登場してて思わずにやけてしまいました。
馬琴といえば、
南総里見八犬伝ですね。
それにしても、馬琴がレギュラーで登場するってなかなかすごい気がします。
おけいの夫・羽吉はとある仕事を仰せつかって信濃まで出かけて行方しれずになったんだとか。
おけいは九官鳥の月丸を心の支えに羽吉の帰る場所を守り続けていたわけですね。
そんな最中、おけいは様々な鳥の関わる問題に首をつっこんでいくうちに役人である永瀬との仲を深めていくことになります。
おけいはそんな自分自身の思いに気づかない振りを続ける訳です。
羽吉はいつか帰ってくるとずっと思い続けているおけいにとって、永瀬への思いはあってはならないものなわけですし。
そのため、ラストの展開は予想がついたこととはいえすごく切ない。
現在なら連絡手段も交通手段も発達しているし、結婚指輪とかもあるからこういうことは起こりえないんでしょうけど、この時代だからな……。
おけいに幸せになってほしいと思うので、続編が読みたいです。ものすごく。
この作品本当に発売されてあまりたっていないんで、続編についてはぜんぜんわかりません。
ですが、帯の文言は新シリーズだしきっと続きはでるんでしょうね。
図書館でこの続きを買ってくれることを願っています。
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