完全版 地獄堂霊界通信 7/香月日輪
上院町に少女を狙う連続殺人犯(シリアル・キラー)が現れた!
犯人に接触し、正体を暴こうとするてつしたちだったが、逆に殺人鬼に捕われてしまい……!?
『業魔の石』
ワルガキ三人悪が挑む、最強の敵――それは環境破壊。
守りたい山がある。だが、人は生きていかねばならない。
悩み事くるしむ彼らの前で、自然からの復讐が始まる……!
『鉄鼠』全二編を収録。
地獄堂の7巻です。今回もまた他作品との関連を探してしまいました(笑)
今回はあんまり見つけられませんでしたけど。
『業魔の石』
女子高生を狙った連続殺人が発生します。
連続殺人といっても明らかになっていたのは2人だけでしたけど。
上院高校と条西高校の生徒となっていてそこに反応してしまいました。
えっと、上院は昔から“出る”学校で、条西は魔法の塔の龍神たちが通う進学校でしたっけ。
てつしたちに助けを求めてくる死者まり子。
一瞬、妖アパのまり子さん?と首を傾げましたが全然違いましたね。
今回、ミッタンが少しだけ『そちら』の世界に足を踏み入れます。
今まで、ミッタンだけは三人悪たちの力の片鱗すら見せられることすらなく、頭の固い大人の代表という立ち位置でした。
警官であるミッタンにとって、そういう非科学的な出来事をそのまま信じることはできませんから仕方ないのかもしれませんけどね。
やっぱり竜也兄ちゃんと長谷は似ているなぁ、と思いました。
怒り方とかカリスマ性とかそういうの。
竜也兄ちゃんはてつしを、長谷は夕士を大好きなのが見ていてわかりますよね。
『鉄鼠』
公共事業によっておきる自然破壊の話。
大人でも難しい話をよくもまあ児童書でやったな、と思ってしまいました。
工事現場にいた作業員・加藤さんとの会話がすごくよかったです。
あれが本音ですよね。
条北小学校の4年生の2人とか、生徒会長とかこの辺に田代ちゃんや神谷さんがいたらいいのに、とか思って読んでました。
名前がまったく出てないので、そういう可能性もなきにしもあらずなんじゃないかなーとか。
まあ、生徒会長は口調が男の子っぽいので、ちょっと厳しそうですけど。
途中、椎名が毛嫌いしている「バカヒューマニスト」。これを本当に嫌っているのは作者なんだろうなぁ。
だってこれって、妖アパの青木先生であり、魔法の塔の信久の母親でしょう?
信久の母親こそまともになりましたが、青木先生は最後まで「バカヒューマニスト」でしたし。
現場の人間が信じているモクモクさんとかは、妖アパでもありましたね。
夕士のバイト先での会話であげられていた気がします。
今回、登場した鉄鼠の正体は人間でした。
恨みを抱えて死んだ男に力を与えて鉄鼠としたのは暁。
龍さんと知己らしい、謎の関西弁男(人間に非ず)です。
暁の正体も、目的もよくわからないままですが、子供たちにとっては暁の言葉はとても痛いものだっただろうな。
暁が登場したので、龍さんも出るかな?と思いましたが、出ませんでしたね。
少しばかり後味の悪い作品でしたが、エピローグは好きです。
今回ページ数の関係なのか、香月さんのあとがきすらなかったのですが、帯によると8巻の発売は9月とのこと。
楽しみです。
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