ばんぱいやのパフェ屋さん 「マジックアワー」へようこそ/佐々木禎子
四月はまだ寒い北の都札幌。中学生になった高萩音斗は、小学校時代から「ドミノ」と呼ばれてからかわれるほどすぐ倒れてしまう貧血・虚弱体質に悩んでいた。そんな彼を助けるために両親が連絡をとった遠縁の親戚たちは、ものすごく変わった人たちだった! 商店街にパフェバーをオープンした彼らのもとで、音斗は次第に強さと自分の居場所を見つけていく。
ユニークな世界に笑い、音斗くんの頑張りや恋心にほろりとするハートフルストーリー!
図書館で借りてきました。
初めて読む作家さん、のはずです。
あらすじにもあるとおり、主人公の音斗(おと)は虚弱体質というかすぐにバタンとまるでドミノのように倒れてしまう子でした。
それは原因不明で医者には長くいきられないと宣告されたこともあったようです。
そんな音斗をなんとかしたいと藁にもすがる思いで両親が連絡をとったのが隠れ里の住人たちでした。
マイペースで愉快犯なのか天然なのか音斗をやきもきさせるハル。推定年齢19歳。
金にうるさい守銭奴ながら根は優しく料理全般を作るフユ。推定年齢28歳。
大柄で不器用ながらも優しいナツ。推定年齢27歳。
彼らの説明曰く、音斗は彼らと同じく吸血鬼の先祖返りであること。
人間の血が濃いため、昼間でも活動できていたが、吸血鬼の部分があるからしょっちゅう倒れていた、と。
そんな説明を受けてはいそうですか。と信じられるわけもなく、家庭はぎくしゃくしてしまいます。
音斗は自分のせいでそうなってしまったのをどうにかしたくて、吸血鬼たち3人のもとに身を寄せることにした、ってのがはじまり。
荒唐無稽な設定、しかも本人たちは自分たちのことを文明的な吸血鬼なだなんだというものだから最初はなんだそれ!?って笑いながら見ていたんです。
ですが、古典的吸血鬼が(血を吸い僕をもつような)登場し、その吸血鬼との違い云々の説明の中でなるほどなぁ、と思わず納得してしまいました。
血を飲めるけど飲まない道を選択したってのは確かに文明人らしいかな。
音斗の学校での話は、実際にありえそうだなと。
学生(に限らずですけど)なんて人と違うことをおそれ、排除しようとします。
そして、自分が仲間外れにされないように人をあざ笑ってでも自分の居場所を作ろうとしますからね。
音斗は標的として最適だったのでしょう。
クラスメートで音斗が淡い恋心を寄せる守田さんとそのお姉さんの話。
前半のほんわか具合からまさかそういう方向に物語がすすむとは思わずちょっと驚きました。
地底人のジンくん、結構好きですよ(笑)
再登場してマジックアワーでバイトしてくれないだろうか。
古典的吸血鬼に「厨二乙!」とやるところはニヤニヤしてました。
緊迫する場面のはずなのに、ハルの主張を聞いていたら思わず(笑)
先日読んだ本がものすごく救いのない話だったのでこれくらいライトな話だとすごく読んでいて楽でした。
図書館に続きがおいてあったと思うので今度見てこようと思います。
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