夏のこどもたち/川島誠
朽木元。中学3年生。5教科オール10のちょっとした優等生。だけど、ぼくには左目がない――。
世の中を冷めた目で見る少年が突然、学校一の問題児と一緒に校則委員になるように、担任教師から指名されて……。
クールで強烈な青春を描いた日本版『キャッチャー・イン・ザ・ライ』ともいうべき表題作に、単行本未収録短編「インステップ」ほか2作を収録。少年たちに衝撃を与えた傑作青春小説!
解説・今井祥智
図書館で表紙とあらすじに惹かれて借りてきました。
『笑われたい』『インステップ』『バトン・パス』『夏のこどもたち』の4編が収録されています。
私が表紙とあらすじに感じた印象は「少年の成長を描くさわやかな話なのかな?」でした。
が、まったく違いました。
ページ数が200ページとあまりないので1時間程度ですぐに読み終わったのですが、読んでいて暗くなってくるというか、嫌になってくるというか。
とてもさわやかとはいえない話でした。
青春小説というと少年少女の成長を描くとか、読後感がさわやかとかそういうイメージがあったので、この作品にはとても驚きました。
こういう青春小説もありなんだな、と。
解説で
『夏のこどもたち』が本になるとき、ひと揉めあったが
と書かれていて思わず「そうだろうな」と納得してしまいました。
どういう扱いで本になったかはよくわかりませんが、児童文学として世に出すには確かに過激です。
主人公がみんなひねくれているというか、一歩引いて見ているというかそんな感じなんです。
確かにそういうひねくれた考え方をする子どももたくさんいます。
というか、最近ならそういう子どもの方が多いと思います。
でも、物語の中でくらいもう少し希望のある話でもいいんじゃないのかな、と。
なので、好き嫌いがはっきりわかれそうな気がします。
正直、私はあまり好きにはなれませんでした。
私にとって小説というか読書というのは娯楽であるのと同時に現実逃避のための手段でもあるんです。
小説を読んで「ああおもしろかった」と思いたいってのが第1なんです。
そのため、読後感があまりにも悪いものって読みたいと思えないんですよ。
なので、そういう意味ではこの作品は私にはあわない作品でした。
まあ読後感ってのは読んでみないとわからないものですけどね(笑)
多分、“青春小説”と書かれていたからこの読後感の悪さに拒絶反応がでてしまうのかも。
青春小説と書いていなければ「好きじゃなかったな」くらいで終ったのかもしれません。
さらりと読んだだけなので、もう少しじっくり読めばまた印象が変わるかもしれませんが、あんまり読む気がしないというのが正直なところです。
ちょっと短めですが、今日の感想はこんなところで。
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