甘いもんでもおひとつ 藍千堂菓子噺/田牧大和
爽快時代小説
晴太郎、幸次郎兄弟が営む藍千堂から今日も飛び切りのお菓子がひとつ
悲しい時もうれしいときもいつも甘味がいてくれた
図書館で借りてきました。
表紙がなんだか可愛いですよね。
【四文の柏餅】
【氷柱姫】
【弥生のかの女(ひと)】
【父の名と祝い菓子】
【迷子騒動】
【百代桜】
が、収録されています。
連作短編集です。
背景にある叔父との確執や、従姉妹のお糸との複雑な関係だとかを思うに通しで読んだ方がいいんでしょうけど、まあたぶん1話1話でもいけるかと思います。
天才肌のおっとりとした兄・晴太郎と、商才のあるしっかりものの弟・幸次郎の兄弟の話です。
兄弟は元々、『百瀬屋』という菓子司に生まれ、兄弟そろってお店を盛り立てていくと思われていました。
けれど、両親が死んでしまい叔父夫婦に追い出されてしまいます。困っていたところ店の職人だった茂吉に助けられ、『藍千堂』として再出発を果たすことになります。
叔父にいやがらせや妨害をされながら、様々な問題に直面しながらも、それでも菓子を作り続けていきます。
読んでいてなんとなく、
畠中恵さんっぽいなぁ、と。
妖怪は出てこないけど、雰囲気は結構近いものがあると思いますよ。
時代小説としては非常に読みやすい部類に入ると思います。
私、男性作家の時代小説ってなかなか読めないんですね。でもこの作品はするする読めて。
ペンネームは男性名だけど内容は女性作家っぽいな、と思っていたんです。
で、今回ググってみたら女性でした(笑)
ご本人のホームページにそう記載されていましたので間違いないでしょう。
(リンクに関しての記述がなかったのでリンクはしませんが気になる方はご自分でググってみてください。すぐ見つけられると思います)
この方の作品を読むのは2冊目かな?
以前読んだ「
三人小町の恋」の時も思ったのですが、なんだかシリーズ化しそうな終わらせ方多いですね。
まあ、連作短編という性質上そうなってしまうのかもしれませんね。
続編が出て、図書館で購入したら借りてきたいと思います。
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