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(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   

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帝都妖乱

帝都妖乱/久楽健太
サヨウナラ、価値なき人間たちよ
史上"最恐"の怪人現る!!
日本國崩壊へのカウントダウン
伝奇小説界の新星が書ききった緊迫のダーク・ファンタジー!!

セカイの平和は、名もなき"はぐれ者"たちに託された!!
大東亜戦争に勝利してから七十年後の大日本帝国。
帝都・東京では、謎の怪物「黒外套(マント)」による政府要人の暗殺事件が続発する。
怪異専門の陸軍部隊「十三機関」に所属する巫女・篝市香は、久遠零介を仲間に引き入れようとする。彼には"この世ならざるモノ"を見る力があったのだ。
古の秘術と最新科学を武器に、異形の者たちとの死闘を繰り広げるメンバーたち。
だが、忍び寄る闇はあまりに根深く強大だった。


図書館から借りてみました。
デビューしてから間もない作家さんのようです。


帯にもあるとおり、大東亜(ようは太平洋)戦争で勝利した日本が舞台。
様々な要因が重なって、現代日本とは似て非なる世界です。
原爆が広島・長崎ではなく、なぜか台湾に落ちてます。
作中で一応理由は説明されてますが、なんとなく不愉快な気分になったのを明記しておきます。


読み終わって思ったのは単純に、読めないわけじゃない。
でも好んで読みたいといえる本じゃないし、自腹切ってたら文句いってたかもしれないな、でした。

帯を読んで、主人公が篝さんだと思ったのも大きかったかもしれません。
まあこういってはなんですが篝さんが、変わり者・久遠に振り回されるよくある話を想像したんですね。
けど、正しくは主人公は久遠の方で、篝さんに振り回されてるようで、振り回してる感じ。

帯では、ダーク・ファンタジーと銘打たれてますが、最初から最後まで「ファンタジー?」と首をかしげてしまいました。
ジャンルはあくまで、目安でしかないと思いますが……。
個人的にこれをファンタジーにつっこむのはなんか違う気がします。
登場する妖は和風・中華風でも相手取る人間側ががっつり近代武器を乱射してたりするのでファンタジーっぽくはないです。
(まあ、一応神道の神おろしとかそういうのもあるんですけどね。印象は薄いです)

たぶん、自分からこの方の作品を探すことはないかな?と思います。
でもまあ、新人さんのようですし、今後作風がどうなるかもわかりません。
たまたま目についてかつ興味をひかれたら図書館で借りてくることはあるかもしれませんけど。

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南都あやかし帖~君よ知るや、ファールスの地~

南都あやかし帖~君よ知るや、ファールスの地~/仲町六絵
あやかしたちと遊ぶ、ジャパネスク・ファンタジー
 南都、京の都のごとく栄えるこの都市に、遙か異国の地を引く青年妖術士・天竺ムスカがいた。
 緑色の瞳を餅、喋る紅い鳥を友とする彼には、表の仕事である金貸し以外にもうひとつ裏の顔がある。不思議な力を秘めた刀剣をはじめ、物騒な事物が次々と舞い込んでくるのだ。
 ムスルの構えた通称『天竺屋敷』に奉公に来た少女・葉月は、使え女として働くうちに、彼とともにあやかしと関わってゆくことになりーー。


図書館で借りてきました。
初めて読む作家さんですね。


【第1話 天竺ムスル】
【第2話 墓所の法理 前編】
【第3話 墓所の法理 後編】
【第4話 海とシャルバート】

が収録されています。
読み終わった感想としては素直に、なんだか中途半端だな、と思ってしまいました。

「あやかしたちと遊ぶ」というあおり文句、メディアワークス文庫から発売されているということで、青年に振り回される女の子を描いたドタバタものかな?と私は想像していたんです。
あやかしたちというのも、しゃばけ妖怪アパート夏目友人帳、あるいは少年陰陽師のように個性あふれる存在で、主人公たちに寄り添おうとしてくれるのかな?と。

実際に読んでみると「あやかしたち」というのはなんだか語弊があるような気がします。
大きなくくりにしてしまえば、妖刀(某倶利伽羅龍のあの人を連想してしまいました)も幽霊もあやかしでしょうが、期待していたのが上記のようなものだったのでこれじゃない感がついてまわってしまいました。
妖術云々ってありますから和風ファンタジーだし、厳密には歴史小説としてはまずいのかもしれませんがムスルは実在した人物らしいです。
全く知りませんでした。

物語としては、ムスルの元に親の作った借金の片として葉月がやってくるところから始まります。
変わり者であるムスルのもとで、お互い少しずつ歩み寄り信頼していく様が描かれています。
じわじわ近づいていく2人の距離間は嫌いじゃありませんでしたが、私が期待していた話とは違ったので純粋に楽しめなかったのが残念です。

葉月の奉公期間が2年であることと、ムスルの故郷への思い云々でその後がどうなるのかは気になりました。
が、この本の続編が出版されるかは甚だ疑問です。元々掲載自体もイレギュラーだった上、掲載誌が休刊したのを未発表作ごとメディアワークス文庫で引き取ったって形らしいので。
続きがでるとしてもまだ先のことになるのではないかな?

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ご破算で願いましては みとや・お瑛仕入帖

ご破算で願いましては みとや・お瑛仕入帖/梶よう子
なんでもかでんも三十八文、江戸の百均『みとや』開店!
ワケあり品も商います!
しっかり物の看板娘お瑛と若旦那気質の頼りない兄、凸凹コンビが活躍する下町よろず屋繁盛記
小間物屋を営んでいた両親を永代橋の崩落事故で失ったお瑛。
兄と二人、ようやく十六歳の細腕で店を開いたものの、脳天気な兄が仕入れてくる困った品々に、てんてこまい。山ほどの数の算盤に、不気味な守り刀、恋歌が書かれた五枚の不思議な絵皿まで……。ふだんは健気で臆病なお瑛も、いざ舟を操れば男顔負けの腕前を発揮する。
いわくありげな品々をめぐる謎が、思わぬ人間模様を浮かびあがらせ、いつしか亡き父の秘密まで明らかに。
ちょっと切なくて、でも心が晴れやかになる時代小説。


図書館で借りてきました。
この方の作品は3作目になるのでカテゴリ作っておきますね。


【ご破算で願いましては】
【月に叢雲、花に嵐】
【我が待つ君】
【めんないちどり】
【天神さまが寝てござる】
【化粧映え】

が収録されています。
連作短編ですね。

帯にもあるように、物語は江戸の100均・みとやが舞台。
何でもかんでも三十八文だから「みとや」です。

でもまあ、かけ蕎麦が16文で天ぷらをプラスすると32文、並の草履が100文が市中価格らしいので100均というより300均のが実体には近いような記もしますが。

主人公のお瑛は、事故で両親をなくし、兄・長太郎とともにみとやを営み生計をたてていました。
長太郎が仕入れてくるワケあり商品をさばくうちにいろいろなものが見えてくる、という話です。

なんだろうな、この方のお話って必ずしもハッピーエンドではないんです。
おけいの時もそうだし、今回もお瑛兄弟が転落してしまった最大の原因が明らかになっていく課程を思えば素直に喜べません。

それでも読後感がすっきりしているのは、この方の描く女性が強いからなんだろうな、と。
どこかで自身の幸せを横に置いている印象はあるけれど、それでも前を向いて歩いてるというか、そんな印象です。

お瑛は永代橋の崩落で両親をなくし、そのトラウマで橋がわたれなくなってしまったんですね。
そこで橋をわたらないで生活するようにするのではなく、変わりに舟を習って川を横断するようになるってあたりがすごくわかりやすいんじゃないかな、と思います。

いつかお瑛にいい人が現れるとともに、トラウマを過去のものとして橋が渡れるようになってほしいものです。

続きが出そうな作品ではありますが、今のところ続編が発売されているような様子はありません。
またしばらくしたら図書館でチェックしてみようと思います。

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