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(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   

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レンズと悪魔 12 魔神解放

レンズと悪魔 XII  魔神解放 (角川スニーカー文庫)レンズと悪魔 12 魔神解放/六塚光
魔王が望んだ真の八眼争覇(ディアボリックパーティ)は、エルバたちが反旗を翻したことで魔王との決戦に姿を変えた。エルバは、ルナたち魔神や、過去の勝者たちとともに魔王を討つべく、その本拠地へ向かう。一方で、魔王の側についたルシアンたちは、首都ブルティーエールの地下迷宮で「反逆者」を待ち受けていた。周到な罠と、己の野心とともに――。史上最強の悪魔召喚バトルアクション、シリーズ完結巻! エルバとルナの戦い、その結末を見届けろ!!


とうとう完結巻です。
1巻を紹介したのが、2010年11月のことですから読むのに1年半以上かかったんですね。長かったです。


今回は最終決戦ということもあり、登場人物が入り乱れています。
ルシアンとセブンデイと策略でエルバたちもバラバラになってしまうこともありよけいごちゃごちゃしてしまいますね。


反魔王派で最終決戦の地、ブルティエールの地下迷宮――かつての移民船に向かったのは下記の通り。
エルバ・ナイトロンドと<氷結の魔神>ルナ・ルガ。
ベイゼル・アードレーと<虚空の魔神>ミナ・ミグ。
グレン・ダール・キングスリーと<獄炎の魔神>ネア・ネア。
ミカル・ナガサカと<無形の魔神>ボル・ボル。
マモル・デュバリエと<電光の魔神>マロ・マロ。
そして、カエデとクラヴリー、リデルもともに向かいます。

彼らは目的は当初の計画通り、結晶連鎖法(クリスタルチェイン)で魔王の虚体を崩し、ミナの力で虚空を作りだし、封印してしまうこと。

しかしながら、敵もただでは終わりません。
エルバたちに抵抗するのは、
ルシアン・パラドールと<闇照の魔神>ヤミ・ヤタ。
アンテノラと<剛力の魔神>アギ・アダ。
ジーニー・セブンディ・ルンホルムと<幻影の魔神>ベル・ベム。
そして、魔王ブラナ・ラ・モード。


前述のとおり、移民船に侵入したエルバたちですがルシアンたちが地下にあったビル群を破壊したために、その瓦礫を避けるためにバラバラになってしまいます。

ベイゼル・アードレーは瓦礫を避けきることができず、戦闘不能に陥り、クラヴリーにミナを託し死亡します。

彼らはそれぞれ最終目的地である封印の間を目指しますが、彼らを迎撃せんとするルシアンたちとの戦いに発展します。

グレン・ダールとネアはセブンデイとベルと戦いになります。
攻撃力的にはグレン・ダールたちの方が上なわけですが、セブンデイの手元は鬼神のレンズやその試作品などが多数存在し、手こずらされます。
最終的には相打ち。
グレン・ダールもセブンデイも命を落としてしまいます。

ミカルとボル、リデルがアンテノラとアギと出会います。
が、こちらは他と違いミカルとアンテノラ、1対1での肉弾戦になります。
はじめ、ミカルが劣性でいったいどうなってしまうのだろうと思っていたのですが、チキュウ空手の最終奥義でどうにかケリをつけます。
こうしてアンテノラも死亡します。

マモルとマロはルシアンとヤミと戦います。
やっぱり、ルシアンは卑怯です。はじめエルバの姿でミカルの元へ近づき不意をつくんです。
この2人、実は因縁の対決。
東部の独立を願うものとそれを阻止しようとしていたもの。
戦いはルシアンの勝利。

さて、主人公であるエルバとルナは自身の能力を過信していてさらに地下へと落ちてしまいます。
<氷結の魔神>の能力逆流(スピンオフ)で瓦礫を受け止めてどうにかしようとしていたらしいのですが、床が衝撃に耐えきれなかったらしくて。
そこでエルバたちが遭遇したのは亡霊とでもいえばいいのか。過去の八眼争覇で死亡したはずの人物たちでした。
彼らはブラナによって回収され、移民たちの技術で再生されていた、と。
亡霊たちの数の多さに倒してもキリがないと足止めだけしてエルバたちは先を急ぎます。


エルバとルナが到達したのは封印の間。
その場にはブラナが実体を伴っていて、衝撃の展開が繰り広げられます。
ブラナが仮初めの肉体として利用していた金髪の女性は、マグノリア・エリクセン。
魔王の瞳を封じた守護者八家の1つであり、結婚後の姓はナイトロンド。
そう、過去の八眼争覇の参加者であり、チェビアトの妻であり、エルバの母親である人物だったんです。
ずっと謎であったエルバの母親がまさかここで登場するとは思ってもいませんでした。

なし崩し的に戦いへとなっていくのですが、エルバは結晶連鎖法のレンズも<虚空の魔神>のレンズも持っていません。
どうにかして時間稼ぎをするしかないんですが、さすが魔王。
魔神たちの父母であるブラナは魔神たちの能力を使うことができるんですよね。

苦戦を強いられ、絶体絶命というところで援軍が到着します。
結晶連鎖法のレンズを持つミカルがやってきて結晶連鎖法を発動するわけですが、ブラナは虚空の力も使えるわけで。
結晶となるべき塵がなければ、結晶連鎖法はうまく発動しません。
万事休すかと思われたとき、ミナのレンズを持ったクラヴリーがやってきてマグノリアから魔王のレンズをはずすことに成功します。
勝利に喜ぶエルバたちでしたが、そこで話は終わりません。

遅れてやってきたマモルが「レンズを見せてほしい」とエルバからレンズを受け取るんです。
読者にはマモルがルシアンに倒されていること(しかもルシアンの契約魔神はヤミ)を知っていますから、渡してはいけないとわかるんですが、そんなことエルバたちが知るわけもなく。

完全勝利間近で、魔王のレンズはルシアンの手に渡ってしまうのです。

そして、ブラナと1つになったルシアンはしろがねの悪竜を呼び出します。
以前、シローが寄代とされたときのものよりも巨大なそれは、サクラを寄代としていました。
しろがねの悪竜をとめるには、寄代となった人物を殺さなければいけないわけで。
再び辛い選択を迫られるかに思えましたが、エルバたちにはシローのときとは状況が違っていました。

そう、今のエルバたちの手元には結晶連鎖法のレンズがあります。
魔王にすら効いた結晶連鎖法がしろがねの悪竜に効かないわけがない、と。

悪竜のブレスに耐え、結晶連鎖法を繰り出すわけですが、何故か発動しなかったんです。
それというのも、アンテノラが作った結晶連鎖法のレンズは1枚だけじゃなく亡霊たちの多くに結晶連鎖法のレンズをはめさせていたと。
すべての亡霊たちから結晶連鎖法のレンズを回収しない限り、しろがねの悪竜からサクラを解放することは叶わないかと思われました。

が、エルバは思い出します。結晶連鎖法にはもう1つ欠点があったことを。
アードレー姉弟との決着をつけたときも同じ方法を使っていたのですが、結晶連鎖法はかなりの広さをカバーする一方で高さはそれほどまでではないんです。
せいぜい、3~4メートル。だからエルバたちは高所からの攻撃を仕掛け、サクラを救い出します。

サクラを救い出すということは、しろがねの悪竜は消えてなくなるわけです。

肉弾戦でルシアンを倒し、魔王のレンズを取り上げたエルバ。しかしながらエルバはヤミのレンズを取り上げるのを忘れていて。
もう1戦あるのかと思われた矢先、強襲を仕掛けてきた人物がいました。
それはマモルとマロ。

死んだと思われていた彼は、魔神のレンズを外すことでルシアンに死んだと勘違いさせていたんですね。
すっかり騙されてしまいました。


そうして、すべては終わりを迎えました。
サクラは博物館に戻り、なんと意識不明の重体だったファルナが久しぶりに登場するんです。
不老であるマグノリアが結晶連鎖法と<虚空の魔神>のレンズをはめ続けることでこれから先、魔王のレンズを封印し続けていくことになるんだとか。
一見兄弟にしか見えない親子であるエルバとマグノリアのやりとりはすごく微笑ましいものでした。
戦いの象徴でもあったテッキの万力。それは外されて変わりにボルの欠片がテッキの右手として過ごしていくようです。

博物館組は平和にすごしていくんでしょう。
マグノリアの疑問、「エルバはサクラとテッキ、どっちが好きなの?」はすごく気になりました。

ミカルとマモルはまた墓守へと戻りました。
今度は2人だけじゃなくクラヴリーやリデル、ランコにバーミッサ。
さらにはボルとマロなで一緒なので、こちらも賑やかに過ごしていくんでしょうね。

これでこの作品は終わり。
今後が気になるものもたくさんありましたが、それらが描かれることはないのでしょう。
最後は登場人物が多くなりすぎて脳内ごちゃごちゃしてしまいましたが楽しかったです。

長くなりすぎました。

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