Switch/梓
その"Switch"を押せ!
「まあ、アレだ。非常ベル、押してみないか――。」
小さな罪を繰り返す幼なじみの中学生、五十嵐 豪と大和 崇。
それもまた、いつもの悪戯のはずだった――。
鳴り響くベル、暗没する世界 覚醒したそこは目眩めく 罪と 罰の 世界。
教師、仲間、最愛の人――世界のすべてを今すぐに"消せ"!!
この日常の混沌を躊躇なく殲滅する、梓の才能を目に焼き付けよ――。
そしてきみは、梓に消される
ずいぶん前に購入して積読本と化していた1冊です。
ようやく読めて良かったです。
ジャンルとしては何になるんだろう?オカルトホラー?サスペンス?
旧校舎の非常ベルを押したことで不可思議な現象に巻き込まれた少年の話です。
流水大賞優秀賞受賞作らしいです。(清涼院流水さんから流水かな?)
非常ベルを押す→翌日へ時間が飛び、クラスメイトにボタンが現れる。
ボタンを押す→その日をやり直すことが出来るが、ボタンを押された人物は消えてしまう。
という現象が起き、誰が非常ベルを押し、消えたクラスメイトのボタンを押したのかを紐解いていくんです。
とにかく設定は面白い。
途中で胸糞悪いと思わないこともないんですが、後半――特にラストはぞっとします。
が、面白いのは後半だけなんですよね。
前半は主人公が事実関係を把握していくことに終始してしまい、盛り上がりにかけます。
というか、何に驚いたかってあらすじにものっているのに、主人公の幼なじみにして親友の崇が物語の序盤で退場してしまうこと。
うーん、幼なじみあるいは彼女と協力して云々の方が面白かったんじゃないかな、と。
私がミステリー読みすぎてるからってこともあるのでしょうが、登場人物も数えるほどしかいないので犯人が登場してすぐに「あ、こいつ怪しい」ってわかってしまいました(笑)
この手の話は登場人物を十数人にした方が混乱が混乱を呼び、面白かったのではないかな?と。
でもまあ、作者がこの作品を書いたのはなんと中学生。改稿してる時点でも高校生です。すごい。
時代的にも携帯サイト最盛期だったと思うので、やたら多かった章分けもその辺関係あるのかな?なんて思ったりしました。
作者さんはこの作品以降、何も出版されていないのかな?
名義変更されてたらわからないのですが、『梓』名義では何もないよう。
現在、25、6歳ぐらい?今もまだ執筆されてるのかわかりませんが、いつか目にすることが出来ればいいなと思います。
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