僕とおじいちゃんと魔法の塔 4/香月日輪
幽霊のおじいちゃんと暮らす僕の、高校生になってはじめての夏休み直前。弟の和人や妹の晶子が塔に泊まりに来るということで、なえか魔女のエスペロスが大はしゃぎ。一方、僕たちは学食で暴れている先輩たちを見つける。エルベロスによると、彼らは猫に祟られているらしい。自業自得でそんなことになったようだけれど、知ってしまったからには助けたい。信久と僕は彼らのもとに向かうことにしたけれど!? シリーズ第4弾!!
先日書店で注文して購入した魔法の塔の4巻です。
新聞の広告で猫の祟りの話だというのは知っていたので、他作品との絡みという点で非常に楽しみにしていました。
他シリーズのキャラクターでそういうことに関する専門家が多いので(三人悪等地獄堂キャラ、龍さん、秋音ちゃん、藤之先生とか)、もしかしたら誰か1人くらいでるかも、とか読む前からテンションあがっていたのですよ。
ついでに目次で『魔道書』の文字を見て「古本屋来るか!?」とまたテンションあがったのですが、今回はそういうリンクはまったくなかったです。
私、
大江戸妖怪かわら版は読んだことないのでそっちのネタがあっても気付けないんですけどね。
それに私が見つけられなかっただけなのかもしれませんので、見つけた方がいたら教えてくれると嬉しいです。
さて、本編の感想を。
特に分けられているわけではないのですが、今回は実質2話ですね。
あらすじにもある通り、猫の祟りの話。
そして龍神の弟である和人が悩む様が描かれてます。
時間軸としては、夏休み直前から8月頭くらいまで。
前巻を読んだときの予想は半分あたりました(笑)
猫の話は読んでいて途中で嫌になりそうでした。
エスペロスの話を聞いているときは特に問題なかったです。
次元の話だとかは香月さん本当にこの設定好きだなぁとか思っていたぐらいなので。
信久が悩んで「助けたい」と願うことは読んでいてほっこりしてくるというか、本当にいい子だなぁとか思って読んでいたのです。
それがよかっただけに余計酷く感じるんだとおもうのですが、先輩たちのやったことが本当に酷い。
表現は悪いですが、胸糞悪くなってくるというか、本当に助けてやる必要があるのか疑問に思えてきました。
一発くらいぶん殴ってやればよかったのにとか思ってしまいました。
和人の話は、すごい青春してるなぁ、と。
なまじっか和人は精神的に大人であり良い子。
自分には出来ないような生き方をしている兄・龍神が好きで、自分は龍神のようになれないことを自覚しています。
だからこそ、ミロワールみたいな悪魔につけこまれるんだろうな。
『世界のドア』という表現に初期の地獄堂を思い出しました。
てつしが『世界のドア』を開け、一歩踏み出していく様子を後から眺めている状態だったリョーチンと椎名。
椎名たちはてつしの後を追いすぐに自分の『世界のドア』を開けられたけど、和人の『世界のドア』が開くのはまだ先のようです。
いつの日か和人の『世界のドア』があいたとき、きっと母親も成長するのでしょうね。
次巻は2012年冬――来年1月とかかぁ。
長いですが、間で地獄堂(9月発売予定)もあるし、そちらも楽しみつつ気長に待ちたいと思います。
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