よろず一夜のミステリー 金の霊薬/篠原美季
都市伝説サイト「よろず一夜のミステリー」に"黄金を見つけたものは祟られる"という情報が寄せられた。埋蔵金を発見した青年が轢き逃げされ、宝を求め山を掘り続けた老人はヒ素中毒、アンチエイジングを研究する女性は殺害された。接点のない三人の死に、ある共通点が浮かび上がる。そして調査を進める恵(ケイ)にも魔の手が――伝説にまつわる<怪>事件をサイエンス&心理から暴き出す!
先日購入してきた作品です。シリーズ2作目。
これ略称って何かあるのでしょうか。
作中と同じく、「ヨロイチ」でいいのかな?
今回はあらすじにもある通り、「黄金伝説」。
作者もあとがきで言ってましたが、途中で黄金伝説がメインなのか、不老不死がメインなのかわからなくなってましたが(笑)
まあ、徐福伝説を絡めた時点で仕方なかったのかもしれませんね。
(徐福、秦の始皇帝に不老不死の薬を探すように言われて蓬莱を目指した人物。その時、金銀財宝なんかを運んでいたということらしいです)
前回よりはミステリーっぽい気がしました。
なんていったらいいかな。
登場人物の少なさからいって犯人は一目瞭然なんで、犯人当てを楽しむには物足りないんですが、真相究明にいたる過程を楽しみたいって人なら問題ないかと思います。
私、こういう一見関係ないものが繋がっていくってのが大好きなのです。
そして、怪っぽい要素もこちらの方がいいですね。
1巻は科学的考証でほとんど否定してしまったような印象を受けたので。
今回は、そういう説明できる出来事も多々あるんだけど、不思議なことは残ったままである、と。
全てを明らかにするのも嫌いじゃないけど、こういう茶目っ気のある謎は残しておいて欲しいものです(笑)
作中で、恵がキイチによって一人で山登りを敢行させられ、そこで遭難&突き落とされるんです。
その辺はさすがキイチですよね(さすがに自分が行くのが面倒だからと1人で行かせて遭難させたことは反省したようですが)。
恵はそのときにいろいろ大事な情報を知り、黄金伝説の証拠となるべきものを手に入れているんです。
が、それだけなんですよ。
遭難先であったがために、その手に入れた場所の手がかりなんてものは何も残していない。
レコーダーを持っているのにもかかわらず、情報は中途半端な記憶のみ。
そりゃあ、呆れられるのも納得ですね。
まあ、そういう人物だからこそ、情報も証拠も恵の前にあらわれたのかもしれませんが。
恵って要領は悪いんでしょうけど、運だけはそうとういいんだろうなぁ。
ついでに顔だけはパーフェクトだから、人受けは相当良さそうですよね。
今回もまた、希美ちゃんはあまり登場していません。
テスト休みだったらしく、登場は本当に最後だけですね。しかも、ああいうことをしちゃうのですからすごいです。
解説の金原瑞人さんが
「(今回、恵と稔の父親についてまったく触れられていないのは)おそらく、このシリーズが十巻以上続くという見通しのうえで書かれているからだろう」(p282)
と書かれていてちょっと戦々恐々としています。
そんなに続かれるとお金と収納スペースに困ります(^^;)
3巻「土の秘法」の発売は来年6月。
そういや、
1巻の帯から細々変更になってますね。
2巻のタイトルは「黄金伝説」で、3巻は「西行の秘法(4月発売予定)」だったのですよ。まあ、特に問題はありませんが。
もしかしてサブタイトルって五行に絡めてるのかな?
ってことは4巻は「火」で5巻は「木」になるんだと思うんですがどうでしょう。
答え合わせは6月ですね。楽しみです。
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