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(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   
カテゴリー「【小説】三木 笙子」の記事一覧
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水の都 黄金の国

水の都 黄金の国/三木笙子
海に浮かぶ街、ヴェネツィア。この地で友を亡くし、同じ悲しみを知る君と出会った。
時は明治。 日本語講師としてイタリアに赴任した誠次郎は、下宿先の料理店で働く美青年・ルカとともに、迷宮都市で起きる様々な事件にかかわることになって――?
温かくてせつないミステリー
水上都市で起きる難事件を、二人は"智慧(ちえ)"と"情"で解き明かす。


図書館で借りてきました。
三木さんの本も3冊目なのでカテゴリ作りますね。


【第1話 黄金の国】
【第2話 水の都の怪人】
【第3話 錬金術師の夢】
【第4話 新地動説】
【エピローグ】

が収録されています。

帯のあらすじにもある通り、舞台はイタリアのヴェネツィア。
日本語講師としてヴァネツィアに滞在する誠次郎が主人公。
難事件、というかちょっと不思議な事件の謎をこっそり解いていくストーリー。


メインとなる登場人物は、誠次郎と、彼の下宿先で働く美青年・ルカ。
これだけ聞くと、耽美系?プロマンス?ニアホモ?とうがった見方をしそうですが、そこまでそういう要素は見えません。

どちらかというと、誠次郎の前任日本語教師であり幼なじみでもあった故人・古水清人、通称キヨ先生に向けるルカの感情が強すぎてそちらの方でうがった見方をしたくはなりましたね 。

過去に何があって、ルカはそこまでキヨ先生を心酔するようになったのか。
どこか警戒心の強そうなルカをなつかせるにあたって何かエピソードがあったのでしょうが、この作品だけではそこまでは見えてきません。

キヨ先生が登場するのはエピローグのみ。
彼がきちんと登場する話も読んでみたかった気もします。


帯あらすじでは、ミステリーとなっているのですが、ミステリーとしての要素は薄いです。
ミステリー目当てで読み始めたら多分、物足りなかったと思います。

かくいう私は、三木さんの独特なあの幻想的な世界観に浸りたかった、のdすが、今回はそういう雰囲気はほぼありませんでした。

うーん、三木さんの作品ってああいうものだと思っていた人間からするとちょっと残念でした。
いや、これはこれで嫌いじゃないですけどね。

また別の作品を見つけたら借りてきたいと思います。
が、今調べたら地元図書館には私がすでに読んだ作品しかないよう。
まあ、いつか別の作品も購入されるかもしれませんしね。いつかを楽しみにしたいと思います。

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金木犀二十四区

金木犀二十四区/三木笙子
こは、古より愛された黄金の花が降りそそぐ街――
「靡(グリーンフィンガー)」の和花屋と「星当番」の山伏
<帝都探偵絵図>で注目の新鋭、最新刊!!
不思議男子の二人組が街に秘められた謎を解く!!

樹齢千二百年の金木犀が見守る昔懐かしい街。
そこで起こる怪異とは――?
かつての大君が愛した花の都の端にひっそりと存在する一帯、"金木犀二十四区"。ここで祖母の初と和花屋を営む秋のもとに山伏・岳史と天文台職員・敦志がやってきた。街に異変をもたらす隕石を回収しにきたという岳史たちに秋は半信半疑ながら協力しはじめる。だがその矢先「森林化」という怪現象が起こり、驚異が街を襲い始める……!


図書館で借りてきました。
この方の本は決壊石奇譚に続いて2冊目ですね。


物語は「靡」と呼ばれるほど植物の扱いに長けた秋のもとに、知り合いの紹介で山伏の岳史がやってくるところから始まります。
岳史の目的は二十四区内に落ちたとされる隕石――山伏の間では天狗とされている存在の回収・破壊。
岳史に協力するうちに、森林化と呼ばれる現象が起こり出す……。

というのがストーリー。
そこから一波乱ありますが、あまりにもネタバレがすぎるので割愛。


「靡」ってなに?って感じだと思います。
帯ではルビが「グリーンフィンガー」となってますが、作中では「なびき」と振られています。
植物に対し、強い関心を持つが故に植物の些細な変化に気づくことができ、植物を自身の望むものに変化させることができる存在。というものと、
修験道において神や仏が姿を表す神聖な場所であるというもの。
これに大倉の自論が追加された3つが作中で描かれています。


読み終わった感想としては、決壊石の時も思ったのですが、どうも終わりがすっきりしないなぁ、と。

地の文を読んでいると引き込まれるというか、ふわふわしてくるんですよね。もやがかかっているというか、ひどく幻想的です。
それ故に、ラストの終わり方が唐突すぎる印象を受けました。
広げた風呂敷を畳むのが苦手なのかな?
ラストがあまりにも唐突すぎて、せめてそういう伝説があると作中で説明するだとか、もうちょっと布石を入れてほしかったです。


決壊石がニアホモっぽかったこともあり、今回もちょっと期待してました(笑)

秋と岳史の微妙な関係とか、何故か異常なまでに秋を信頼する敦志の存在とか、秋を天狗と断定して最悪軟禁も辞さないつもりだった大倉だとか萌えれそうな要素はあります。
ただ私ははまりこめないままに読み終わってしまったので、なんだかちょっと損した気分です。

終わり以外は結構好みの文章を書かれる方なのでまた図書館で見かけたら借りてみたいです。

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決壊石奇譚 百年の記憶

決壊石奇譚 百年の記憶/三木笙子
一人で生きていこうと決めていた。君と出会うまでは。
鉱石の記憶を読み解くことができる少年。
秘め続けてきたその力を初めて明かしたのは、生真面目で融通がきかない“紫水晶の君”だった。

同級生の大地に誘われて地学部に入部した、高校一年生の徹。
鉱石の話になると途端に饒舌になる彼と過ごすうちに、徹は大地が持つ不思議な「力」を知ることに。
特定の石に触れると、前の所有者の記憶を読むことができるのだ。
大地は、同じ力の持ち主である祖父・伝(つたえ)から記憶を受け継ぎ、昔、祖父が親友と交わした、当てのない約束を守り続けていた。br 話を聞いた徹は、大地を約束から開放したいと願い、ある決意をする――。
水晶、瑪瑙、琥珀、翡翠……、鉱物が照らし出す真実とは?


図書館で借りてきました。
読み切るのに、数日かかるとは思いませんでした……。


読み終わった感想としては「え、これで終わり?」というものでした。
なんていうのかな。ものすごく中途半端というか、含みを持たせすぎたというか。
もうちょっとどうにかならなかったんだろうか、というのが正直な感想です。


不思議な力を持った少年・大地と徹が出会うことで物語ははじまります。
他者を思いやるがゆえにすれ違ってしまった過去の人物たちの願いはかなうのか、という話。

きちんと明記はされていなかったと思うのですが、徹の様子なんかを見る限り、時代背景は昭和っぽかったです。
徹の父・航の学生時代で戦後数年とかそんな話があったので、単純に考えても昭和ですね。

あさのあつこさんや恩田陸さんとかを想像してもらえると分かりやすいかと思うんですが、この作品の登場人物たちの大半がニアホモっぽい。
大地と徹、伝と良治、賢一と航もそれっぽい。
登場人物の間にほとんど血縁が存在していないのも何か理由があるのかな?と深読みしたくなってしまいました。

というか、改めて思い返してみるとこの作品女性登場してましたか?
せいぜい徹のおばあさんがおじいさんや父親の話で登場してしたくらいの気がするんですが。
あ、そういえば先輩のおばあさんが最初の方でちらっと登場してたな。
徹たちの通う学校が男子校だからってこともあるんでしょうけど、ある意味すごいな。


石を媒介に、良治から航へ、航から徹へと受け継がれた記憶。
それは長い年月の間に変質してしまったんですね。
はじめは単純な「再会の約束」だったんですが、それがいつの日にか「再会したら復讐される」と意味合いが変わってしまって。

伝はただただ良治を待ち続けただけだったのに、と。
なんともモヤモヤする展開でした。
これ間に航を通さずに良治から徹へ記憶が思いが受け継がれていたらどうなっていたのだろう、と思いました。
そうであれば、ここまでややこしいことにはならなかったんじゃないのかな、と。


最後、意識不明となった徹を救おうと大地が手を差し伸べたところで終わっています。
「かすかに大地の手を握り返したように感じた。」でしめられていて、その後の展開は読者の想像にゆだねられる形になっています。
ハッピーエンドは徹が目覚めて良治と伝が長い年月を経てようやく再会するといったところでしょうか。

まあ、私が一番最初に想像したのは「徹が目覚める日を思い、大地が徹の世話をしながら待ち続ける」というものでした。
暗い……。

ストーリー自体は嫌いじゃなかったのですが、一体誰が主人公だったのだろう?というくらい焦点が定まらなかったのがちょっと残念でした。

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