金木犀二十四区/三木笙子
そこは、古より愛された黄金の花が降りそそぐ街――
「靡(グリーンフィンガー)」の和花屋と「星当番」の山伏
<帝都探偵絵図>で注目の新鋭、最新刊!!
不思議男子の二人組が街に秘められた謎を解く!!
樹齢千二百年の金木犀が見守る昔懐かしい街。
そこで起こる怪異とは――?
かつての大君が愛した花の都の端にひっそりと存在する一帯、"金木犀二十四区"。ここで祖母の初と和花屋を営む秋のもとに山伏・岳史と天文台職員・敦志がやってきた。街に異変をもたらす隕石を回収しにきたという岳史たちに秋は半信半疑ながら協力しはじめる。だがその矢先「森林化」という怪現象が起こり、驚異が街を襲い始める……!
図書館で借りてきました。
この方の本は
決壊石奇譚に続いて2冊目ですね。
物語は「靡」と呼ばれるほど植物の扱いに長けた秋のもとに、知り合いの紹介で山伏の岳史がやってくるところから始まります。
岳史の目的は二十四区内に落ちたとされる隕石――山伏の間では天狗とされている存在の回収・破壊。
岳史に協力するうちに、森林化と呼ばれる現象が起こり出す……。
というのがストーリー。
そこから一波乱ありますが、あまりにもネタバレがすぎるので割愛。
「靡」ってなに?って感じだと思います。
帯ではルビが「グリーンフィンガー」となってますが、作中では「なびき」と振られています。
植物に対し、強い関心を持つが故に植物の些細な変化に気づくことができ、植物を自身の望むものに変化させることができる存在。というものと、
修験道において神や仏が姿を表す神聖な場所であるというもの。
これに大倉の自論が追加された3つが作中で描かれています。
読み終わった感想としては、決壊石の時も思ったのですが、どうも終わりがすっきりしないなぁ、と。
地の文を読んでいると引き込まれるというか、ふわふわしてくるんですよね。もやがかかっているというか、ひどく幻想的です。
それ故に、ラストの終わり方が唐突すぎる印象を受けました。
広げた風呂敷を畳むのが苦手なのかな?
ラストがあまりにも唐突すぎて、せめてそういう伝説があると作中で説明するだとか、もうちょっと布石を入れてほしかったです。
決壊石がニアホモっぽかったこともあり、今回もちょっと期待してました(笑)
秋と岳史の微妙な関係とか、何故か異常なまでに秋を信頼する敦志の存在とか、秋を天狗と断定して最悪軟禁も辞さないつもりだった大倉だとか萌えれそうな要素はあります。
ただ私ははまりこめないままに読み終わってしまったので、なんだかちょっと損した気分です。
終わり以外は結構好みの文章を書かれる方なのでまた図書館で見かけたら借りてみたいです。
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