忍者ブログ

(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   
カテゴリー「【小説】阿部 智里」の記事一覧

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

弥栄の烏

弥栄の烏/阿部智里
断末魔のような悲鳴が響き渡った――
未曾有の大地震が山内を襲い、禁門の扉がひらく。
失った記憶を必死にさがし求める日嗣の御子・若宮
真赭の薄は、浜木綿の決意に衝撃をうける。
宿敵・大猿との最終決戦がついに始まったその時、八咫烏の軍を率いる参謀・雪哉のとった作戦とは。
壮大な世界の謎が、いま明らかになる!

八咫烏と猿、最終決戦。
若宮の記憶は戻るのか
大ヒット和風ファンタジー完結


購入されているのは知っていたのですが、何かとタイミングが悪くて。
今回ようやく図書館で借りてくることが出来ました。


今回もいつも通りといっていいでしょうか。
前作玉依姫の八咫烏側のストーリーになっています。

この作品を読むことでようやく、なぜ山神の配下に八咫烏がついていたのか。
さらに、若宮や山内衆といった面々はまあともかくとして、神域に真赭の薄がいた理由などが明らかになります。

ずっと言われ続けてきた『真の金烏』が持つという初代からの記憶。
それがないゆえに、若宮は真の金烏として認められず即位できずにいたのですが、今回それがようやく解決します。
さらには猿たちとの戦いにも決着がつきます。

ラスト、大猿が若宮に求めたこと。
そして、それに対しての大猿の行動は読めました。むしろなんで若宮は簡単に大猿の話を聞いてしまったのか。
まあ若宮も大混乱の最中だったでしょうし、仕方のないことなのかもしれませんが。


私ずっと言っているんですが、このシリーズで一番好きなキャラクターは雪哉です。
今回、雪哉がたくさん登場してはいるんですが、なんというかな。
可愛げがなくなったというか、擦れてしまったというか。
きっと、雪哉が軍師であろうとしているがゆえのことなんでしょうが、ずっと気を張っている様子が見ていて痛ましい。
それゆえにラストでそれがほどかれた様子には安心しました。

……でも、茂さんの存在が大きなものだったことを思うと、今後の雪哉が心配ではあります。


ゆるやかに破滅していくことが余儀なくされた山内の世界。
若宮がただの烏になるまで、最後まで見届けたいものですね。

今回、『完結』の文字があるのですが、前巻ではそれに『第一部』の文字があったので『第二部』があるものと信じています。
現在は外伝が発表されつつあるようですから、そちらの書籍化も楽しみにしつつ第二部を待ちたいと思います。
それまでに1巻から読み返したいものです。

拍手[0回]

玉依姫

玉依姫/阿部智里
生贄伝説のある龍ヶ沼と、その隣にそびえる荒山。
かつて、祖母が母を連れて飛び出したという山内(さんだい)村を訪ねた高校生の志帆は、村祭りの晩、恐ろしい儀式に巻き込まれる。
人が立ち入ることを禁じられた山の領域で絶体絶命の志帆の前に現れた青年は、味方か敵か、か――

この愛は、時空を超える
大ヒットファンタジーはここから始まった――


ようやく読めました。
図書館で借りてきました八咫烏シリーズ第5弾です。


今回は、いつものシリーズは様子が違っています。
あらすじ読んだだけでわかりますよね。
そう、高校生という現代日本の要素が登場するんです。
まあ、現代日本といっても、1995年ですからちょっと前ですね。
だから、志帆は現代女子高生の必需品であるスマホも携帯も持ってません。
この当時だとポケベルかPHSが一般的な年代なのかな?
(作者の阿部さんは1991年うまれなので、ちょっと変な感じ)


黄金の烏で、ほのめかされていた異世界ファンタジー説が説明されます。
そのため、今作のメインはあくまで志帆(と椿こと山神)で八咫烏たちはほとんど登場しません。
登場するのは、若宮と真赭の薄ぐらい。雪哉好きとしては、ちょっと残念です。


志帆の考えなしな感じが恐ろしいという祖母たちの話はちょっとわかりました。
私、基本的にこういうシリーズものはあらすじを読まずに読み始めます。
読書慣れしてるからってこともありますが、志帆が叔父に誘われ村に行くって時点でだいたい察してしまったので危機意識というかいろいろと欠如しているんだろうな、と。

だからこそ、無償の愛をそそぐことができて、神の母であり妻である玉依姫になることができたのでしょうが……。

戻ってこなかった過去の玉依姫については、まあそうだろうな、と。
逃げ帰ってきたゴクと里帰りしたゴク。村の住人たちに違いなどわかりません。
そうなることをよめなかった山神はやはり人ではなかったのでしょうね。
志帆に指摘されるまで住・食環境が最低だったことを思えば八咫烏も同じだったろうなと思います。
……猿はわかっていたとしても指摘しなかったのでしょうね。


『英雄』こと銀髪の少年の正体は、最後まで誰だかわかりませんでした。
神話の類型として犬を連れた異人が人喰いをする猿(と蛇)を倒すと。
民族学は、こういう小説でかじる程度なので詳しくはないのですが、なるほどなぁ、と思いながらみていました。
(ちなみに私が荒魂やら和魂やらをはじめて知ったのはたぶん犬夜叉の四魂の玉です)

次巻は来年夏刊行予定とのこと。
タイトルについては触れられていません。
猿との最終決戦の幕があがるようで、若宮が真の金烏になれるかどうかって話もあるようです。
で、これクライマックスと銘打たれているんです。
しかしながら、第一部完結編とも書かれてるんですね。
……つまりは、第二部があるということ。
今から楽しみです。

拍手[0回]

空棺の烏

空棺の烏/阿部智里
八咫烏の一族が支配する世界山内で、宗家を守るのは山内衆と呼ばれる上級武官。勁草院という養成所で厳しい訓練がほどこされ、優秀な成績を収めた者のみが護衛の栄誉に与る。
平民の茂丸、下人の千早、大貴族の明留、そして武家の雪哉。生まれも育ちも異なる少年たちは、勁草院の過酷な争いを勝ち抜き、日嗣の御子を守る武人になれるのか……?


図書館で借りてきました。
八咫烏シリーズ、第4弾です。


表紙前方にいる雪哉はシリーズ読んでる方ならわかるかな?
後方の3人は左から明留、茂丸、千早です。
明留は、真赭の薄の弟ですね。黄金の烏で真赭の薄が雪哉に貸してくれた着物の持ち主です。

今回は、前巻ラストでちらっとふれられていた勁草院を舞台に、雪哉がある意味暴れ回る話。

勁草院はあらすじにもあるように武官の養成所。
本来であれば、宗家を守るために尽力をつくすはずの未来の武官たちが集まっている場所なのです。
けれど、勁草院内部でも若宮派、長束派と派閥が存在し、若宮の暗殺未遂に力を貸すものまで現れる始末と手に負えない状態になっていました。

そんなある種の魔窟で、雪哉が己の力を磨き、信頼できる仲間を得、成長していく様を描いていく物語なんだな、と思って読んでいたんです。

まあ、そんな簡単な話じゃないですよね。

後半の種明かしに思わずテンションあがってしまいました。
雪哉が(理由があって)ぼんくらのふりをしているというのは初期からある設定です。
だから、剄草院での生活の中でも何かしら目論んでいるのだろうことは想定内でした。
ただその企みの規模が思っていたより大きくて。驚きました。

何度か書いた気がするんですが、私頭のいい子って好きなんですよ。
勉強が出来るとかじゃなくて、頭の回転がいいとか機転がきくとかそういう子。

こういう企みが最後に明かされる話って好きなのでめちゃくちゃテンションあがりました。 雪哉にとっての想定外は人に教えることに向いてないってことぐらいでしょうか(笑)


今巻は雪哉の剄草院生活だけが描かれているわけではありません。
若宮サイドの話も描かれているんですが、真の金烏についても色々と新事実が明かされています。

そもそも若宮が真の金烏であるとされながらも、若宮派と長束派が存在するのは金烏について発表するはずの神官たちがどっちづかずの態度をとっていたからな訳です。
その理由が説明されているわけなんですが、相変わらず謎が多い。
金烏は代々、その魂を毎度転生させているということのよう。

けれど、若宮に関しては今までとは様子が違っていたんです。
魂こそ引き継いでいたけれど、記憶は引き継いでいなかったために神官たちは若宮を金烏として頂くことに疑問を呈してしまっていた、と。

若宮の記憶に関しては金門の向こうに置いてきてしまっていたということなんでしょうが、先代金烏の体と接触したもののすべてが戻ったわけではないようです。
金門の向こう=猿たちの世界のようですし、先代の身にいったい何が起こったのでしょう。

八咫烏たちを脅かす猿たちにも色々とあるようです。
元々は体躯の小さな猿が普通。小猿が人(八咫烏)を食べることで大猿となり凶暴になるわけですね。


相変わらず謎が謎を呼ぶシリーズですが、次巻の発売が決まっているようです。
次は来年夏発売の『玉依姫』。楽しみです。

※皆さん検索されてくるので、追記しました。
玉依姫は7/21発売です

拍手[5回]

カレンダー

02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

ad


ランキング



ブログランキング・にほんブログ村へ

カテゴリー

バーコード

ブログ内検索

プロフィール

HN:
柊木かなめ
性別:
女性
職業:
北海道のド田舎に住む会社員
趣味:
読書
自己紹介:
隠れ腐女子・柊木かなめのだいたい感想ときたま日常。
腐った視点からの感想もあるので苦手な方はご注意してください。
ツイッターやってます

何かあればこちらから→お問い合わせ

※当ブログはamazonアソシエイト並びにGoogleアドセンスを利用しています。
詳しくはこちら

ブログ村ランキング

広告

マクロミルへ登録 忍者AdMax

アーカイブ

Copyright ©  -- (腐)的感想文 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]

PR