夢違(ゆめちがい)/恩田陸
「何か」が教室に、侵入してきた。
小学校で頻発する集団白昼夢。調査に向かった男。
子供達が見たのは予知夢なのか――。
美しき悪夢が現実に忍び寄る。
戦慄と驚愕、幻視サスペンス巨作。
夢を映像として記録し、デジタル化した「夢札」。夢を解析する「夢診断」を職業とする浩章は、亡くなったはずの女の影に悩まされていた。予知夢を見る女、結衣子。俺は幽霊を視ているのだ ろうか?
そんな折、浩章のもとに奇妙な依頼が舞い込む。各地の小学校で頻発する、種運団白昼夢。狂乱に陥った子供たちの「夢札」を視た浩章は、そこにある符号を見出す。悪夢を変えることはで きるのか。夢の源を追い、奈良・吉野に向かった浩章を待っていたものは――。
人は何処まで"視る"ことができるのか?
物語の地平を変える、恩田陸の新境地!
図書館で借りてきました。
ドラマ「悪夢ちゃん」の原作(というか原案?)小説です。
ドラマは全く見ていないので、正直どう違うのかわからないんですが、登場人物の年齢などから、原作の20年前くらいがドラマってことになるんでしょうね。
どことなく雰囲気はかなり違いそうだなってのが正直な感想です。
まあ、これを映画ならともかく連続ドラマにするのはかなり難しいでしょうから、原作ではなく原案としたのは正解だったんでしょうね。
ホラーに分類されるであろうこの話なんですが、怖さより不気味さを覚えました。
作中で描かれていた「夢札酔い」みたいな感じとでもいえばいいのか。
夢か現か訳わかんなくなってくるんです。
恩田さんの作品って、気付いたらめちゃくちゃ引きこまれているんですよね。
この作品も淡々とした語り口に不気味さを覚えながらも気付けば読みふけってしまう。
読み終わって思わず溜息をついて、現実世界に戻ってくる感じ。
そんな作品でした。
全てが明らかになるわけじゃなく、結局どういうことなのかいまいちわからないのも恩田さんらしいといえますね。
浩章にとって結衣子の存在は大きなものだったってのもわかりますが、ちょっと奥さん可哀相だなと思いながら読んでいました。
はじめのうちはそれなりに奥さんについても触れられていたんですよ。
でも、最終的には存在自体忘れられているような印象を受けて。
きっと浩章は結衣子の元にいくことで、幸せを覚えるんでしょうけど。
やっぱり、この方の作品はたまに読むからいいんだなと思いました。
なんていうか、前述の通り作品の世界にどっぷりつかってしまうんで読みおわったあとの疲労感が半端ないんです。
まあ、この作品にいたっては500ページ近くあるハードカバーなんで、持って読んでるだけ結構疲れてしまいましたけど(笑)
この方の作品って、図書館で借りるまでもなく結構な数を持っているんで少しずつでも紹介していきたいと思います。
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