ダリの繭/有栖川有栖
幻想を愛し、奇行で知られたシュールレアリスムの巨人―サルバドール・ダリ。宝飾デザインを手掛けたこの天才の心酔者で知られる宝石チェーン社長が神戸の別邸で殺された。“現代の繭”ともいうべきフロートカプセルの中で発見されたその死体は、彼のトレードマークであったダリ髭がない。そして他にも多くの不可解な点が……!? 事件解決に立ち上った推理作家・有栖川有栖と犯罪社会学者・火村英生が何回なメッセージに挑む!
ミステリー界の旗手が綴る究極のパズラー。
作家アリスシリーズの第2段。
前回同様、作者は有栖川さん。
登場人物はアリスで統一します。
冒頭から思わず笑ってしまいました。
いい年したおっさん同士のはずなんですけどねー。
仲がいいというかなんというか(笑)
所々である“新婚ごっこ”とかそういうのがあるから二次が多いのか、と改めて読み直して思いました。
初めて読んだときはまったく気にしていなかったのですが、今読むとすごいな。
閑話休題。
二転三転どころか五、六転したのかな?
読んでてコロコロしていくので、つい引き込まれていきました。
まあ、吉住さんは犯人じゃないだろうとは思いましたけどね。
初期作品のためなのかアリスが捜査についてまわることの必然性を出すためなのか、アリスの知り合いが事件に関わるわけなんです。
が、そう何度もアリスの知り合いが犯人でたまるか、と(笑)
タイトルにも含まれている『繭』。
登場人物たちそれぞれの『繭』を見比べてみるのもいいかもしれません。
少し気になったのは靴について。
靴に関する記述が何箇所かあったと思うのです。
はじめは靴は靴箱の中にあったはず。
「靴は下駄箱に入っていたそうだ(略)」p70
なのに、後から現場付近の川べりの茂みだったかな?なんかそんな感じのところから発見されるんですよ。
「(略)その下流側の川岸の叢に落ちていました。先にお見せした二足の靴と一緒に転がっていたんですよ」p282
どういうことなんでしょう?
あとは美人秘書が最後まできれいなままだったのが、ちょっと。
最後の最後で、秘書を糾弾するのかな?と思ったのですが、そういうわけでなく、キレイなまま。
さんざん振り回しておいて……、と思わなくもないです。
さすがにこの分厚さは1時間半やそこらじゃ読めないですね。
読むのに2日かかってしまいました。
[1回]
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