タマの猫又相談所 花の道は嵐の道/天野頌子
――うちの理生ときたら、高校生になったというのに、泣き虫で弱虫でこまったもんだ。やれやれ、おれがなんとかしてやるか――。理生の飼い猫タマは、じつは長生きして妖怪化した猫又。流されるままに花道部に入部し、因縁のライバル茶道部との激しい部室争奪戦に巻き込まれてしまった理生を、タマが陰から賢くサポート。大人気「よろず占い処 陰陽屋」シリーズの著者が描く、ほんわかもふもふ学園物語。
書き下ろし短編「空の下、屋根の上」を収録。
ちょっと前に購入していたんですが、積読になっていました。
陰陽屋の最新作が来月出るらしいので、その前に紹介できてよかったです。
あらすじにもあるとおり、草食系男子と猫又の話です。
主人公の理生(みちお)くんが、茶道部に入ったことでいろいろ巻き込まれる話です。
気づくと視点が変わっているので、ちょっと混乱しかけてしまいましたがそれなりに楽しめました。
1時間半はかからなかったかな?
さらっと暇つぶしに読むにはいいかも。
正直な話、理生が高校生には思えませんでした。
甘えん坊で泣き虫で弱虫。絶対一人っ子だろうと思っていたので、妹が登場した時は驚いてしまいました。
中学生ならギリギリありかなぁ?
瀬川くんもピュアっ子ですがまだ高校生で通じるだけに余計そう思ってしまったのかも。
書き下ろし短編のせいもあって、すごく青春だなぁ、と。
工藤さんはかっこいい、ですね。
いろんなことを体験して自分のものにしようとしているのはすごいです。
花道部1年生トリオですが、それらしい描写があまりありませんが三角関係なんですよね。
うーん、3人でああでもないこうでもないと相談しているのが可愛らしいので、三角関係にハラハラしてしまいます。
まあ、自覚したところで終わってしまっているので続編が出ない限りどうにもならないんでしょうけどね。
花道部のライバルとして登場する茶道部。というか鈴木花蓮の目的が謎でした。
鈴木花蓮は、典型的なお嬢様像を想像していただければわかるかと。
縦ロールで取り巻きつれて、「オーホホホ」とか言っちゃいそうな感じといえばわかるかな。
なぜ、鈴木花蓮は自費を投じてまで部室争いに勝とうとしていたのでしょうか。
作中で一応の説明はされていましたが、正直まだ何か理由があるんじゃないのかなぁ、と。
読み終わって思い返してみるとあまり、猫又要素がなかったような。
人語が話せるから、理生に助言をしたり情報を与えたりはしているんですけどね。
内容的にはシリーズ化してもなんらおかしくない感じなので、もしかしたら文庫オリジナルで続刊が登場するかもしれませんね。
その時は購入したいと思います。
[3回]
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