夏目友人帳 11/緑川ゆき
妖との契約書である祖母の遺品「友人帳」を継ぎ、名を返す日々を送る夏目。ある日友人・多軌の家の蔵掃除を手伝ううちに、封じられていた悪い妖を解放してしまう。
強力化するのを防ぐべく、バラバラになった体を探す夏目達に妖達が協力してくれて!? あやかし契約奇談11巻。
昨日、新刊を購入した夏目です。
順番に紹介しているんで、昨日買ったものを紹介するのはまだまだ先になりそうです。
【第42話 封じてあるもの 前編】【第43話 封じてあるもの 後編】
多軌ちゃんの家に封じられていた妖を退治する話。
今回は、夏目、多軌ちゃん、田沼くんの妖絡み3人の話です。
あらすじの話ですね。この3人の話って大好きなんですが、原作であんまりないんで本当に嬉しい。
多軌ちゃんが夏目と関わることになった「陣」。
それを残した多軌のお祖父さん・慎一郎さんは、妖に会いたかった人だったんだとか。
昔は陰陽師のようなことをやっていた多軌家には多数の資料があるようですから、興味を覚えてもおかしくはないんですよね。
そして、慎一郎さんは術を使う素質はあった。半端で未完成ながらも独学でまじないをかけることが出来たわけですからかなりのものだったんじゃないかな。
でも、視覚も触覚も聴覚もどれも妖と波長が合うことはなかった、と。
最後まで妖と触れ合うことなく逝ってしまうわけですが、多軌家にはそんな慎一郎さんが試していたまじないがあちこちに残っていたんです。
そのまじないに封じられていた人形の妖・カクラが復活してしまうんです。
バラバラになった体を取り戻そうとするカクラの行動を阻止しようと夏目たちは動きます。
慎一郎さんの周りを囲んでいた妖たちにちょっと泣きそうになってしまいました。
小さな妖たちは、けして目があうこともない、会話が出来るわけでもないけれど、慎一郎さんの友人だった、と。
彼らはもう多軌家にやってくることはないでしょう。
それでも多軌ちゃんは彼らを忘れることはないんだろうなぁ。
冒頭で、田沼くんが夏目の行動を読んで先回りしていたんですが、一人で抱え込んで暴走しがちな夏目相手ですからそれくらいしないときっとだめなんだろうなぁ。
【第44話 遠き家路 前編】【第45話 遠き家路 中編】【第46話 遠き家路 後編】
夏目が父と住んでいた家を訪ねる話。
非常に痛かったです。
夏目の過去っていつも読んでいて辛いものばかりなんですが、今回は特に辛い印象を受けました。
今まで描かれてきた夏目ってどことなく「自分は幸せになれない」と思っているというか、縮こまって何事もないことを望んでいるというかそんな印象だったんです。
父親云々が今回はじめて描かれたこともありますが、「幸せだったころの思い出」に縋ろうとしているというのが読んでいてすごく辛い。
三世子ちゃんがああいう態度をとってしまうのも夏目の出会いが小学生中学年(?)だったってのもあるんだろうな。
もう少し小さければ同級生男子たちもそういうことを気にしないだろうし、
大きければ割り切ることも出来るでしょう。
三代子ちゃんが家族を守ろうとしたことはそれでそれで仕方ないことだし、理解できます。
でも、やっぱりやるせないですね。
今回の話でレイコさんは夏目の母方の祖母であることがわかりました。
正直、レイコさんは未婚の母であっただろうと思っているので、レイコさんの「夏目」性云々は気にしていなかったんです。
けど、夏目の両親が夏目性であることにはすごい違和感があります。
今までは、レイコさんの子供が男の子=夏目の父って可能性も否定できなかったんですけど、今回それは否定されましたし。
単純に考えてお父さんが婿入りしているってことなんでしょうけど。
うーん、よくわかりませんね。
いつの日かその辺のことも語られることもあるでしょうか。
次巻は、瓶詰夏目回ですね。楽しみです。
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