
お面屋たまよし/石川宏千花
妖面が欲しい
面作師見習いの太良と甘楽が出会うのは、耐えがたい思いに身を焦がす人々
読み出したら止まらない! 時代ファンタジー
妖面、なりたいすがたになれるというそのお面は、面作師(おもてつくりし)の中でも、腕のいい者だけが、作れるのだという。妖面は、諸刃の剣。面をはずせなくなれば荒魂化し、人として生きていくことができなくなる。それでもなお、人々は、今日もお面屋を訪れる――。
図書館で借りてきました。
はじめて読む作家さんだったんですが、楽しめました。
【御招山からの使者】
【枯れない花】
【へそ曲がりの雨宿り】
【ある兄の決断】
が収録されています。
太良(たいら)と甘楽(かんら)は面作師見習いの少年。
2人は《お面屋たまよし》行商をしながら、修業をしている途中なんです。
《お面屋たまよし》には屋号があるんです。それは《魔縁堂》。
《魔縁堂》が取り扱うのは、妖面。
腕のいい面作師が作った妖面をつけることで男が女に醜女が美女にと「こういう感じになりたい」というものになれるんだとか。
しかし、それは便利なだけじゃなくて。
使用者の内面と深く結びつきすぎてしまって面を外せなくなってしまうこともあり、そうなると人として生きていくことが出来なくなるんです。
それを『荒魂化』といい、そうなってしまうと売った責任として、面作師たちが浄化しなければならない、と。
2人が様々な人に関わっていく様が描かれています。
時代物なんですが、比較的読みやすかったです。
初っ端から天狗が出てくるは捨て子だったってことが明らかになるわ、ちょっとびっくりしてしまいましたが(笑)
おもしろかったです。
「妖面を売る」という基本は一緒でも、それが荒魂化するかしないか、購入者の心情などなどで同じような話でも全然別な話になりそうだなと思いました。
続編も発売されているようなんですが、図書館にあったかな?
今度確認してこようと思います。
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