ほたる館物語 1/あさのあつこ
温泉町にある老舗旅館「ほたる館」の孫娘・一子は、物怖じしないはっきりとした性格の小学校五年生。昔ながらの旅館に集う個性豊かな人々や親友の雪美ちゃんに囲まれ、さまざまな経験を重ね少しずつ成長していく。
家族や友達を思いやり、ときには反発しながらも、まっすぐに向き合っていく少女たちの純粋さが眩しい物語2編を収録。著者デビュー作シリーズ第一弾。
<解説・佐藤多佳子>
昨日の宣言どおり、児童書です。
あさのさんの作品はこれで3つ目なのでカテゴリを作りました。
もうとっくに3つ紹介していると思っていたのですが、まだだったんですね。
バッテリーのあさのあつこさんのデビュー作。
私が持っているあさのさんの作品で唯一の女の子主人公作品です。
あさのさんって男の子を書かせたらすごいんですが、女の子が主人公になると微妙な作品がふえる気がします。
主人公はほたる館という旅館の一人娘・一子。
ほたる館は近くに大きなホテルが出来てちょっと苦労している旅館です。
この本の初出版は1991年。それが2004年にカラフル文庫に。そして2006年にピュアフル文庫で出版されています。
ちょっと時代を感じるなぁ、と思ったのは土曜日に学校があること。
ゆとり教育の影響で完全週休2日制ですからね。今の小中学生は土曜日に学校があったこととか知らないんじゃないでしょうか。
かくいう私はギリギリ土曜日に学校があった時代に小学生でした。
奇数週の土曜日に3時間午前授業があったんですが、小学校の途中でいつの間にか完全週休2日制になっていたような記憶があります。
『土曜日のほたる』と『雪美ちゃん』の2編が収録されています。
「ほたる館物語」という名前のとおり、どちらも「ほたる」が登場します。
土曜日のほたるに登場する女性客は結局何があったのかなぁ、とか今読むと気になります。
何も語られないまでも思いつめた様子から回復して帰っていっていますから単純によかったなぁ、と思いますが。
時期の少し早いほたるが思いつめていた彼女の心を緩めたんだな、と。
雪美ちゃんの方はいい意味で昔だな、と。
いやー、今ならああは行きませんもん。
嫌がらせがあの程度だってことも、殴って殴られてってのも、そのあと綺麗に仲直りってのも今なら難しいんじゃないでしょうか。
ああいうまっすぐさは読んでいて非常に眩しかったです。
「ちゃんと口にしないとだめなときもあるよね?」という一子の問いにうまく答えられなかったお父さんには笑ってしまいました。
旅館は女性のほうが強いですからね。
お父さんの立場が弱いから、なかなか口に出来ないんだろうなぁ(笑)
一子のお母さんとおばあちゃんのやりとりにも思わず笑ってしまいます。
嫁姑の明るいバトルは読んでいて面白かったです。
このシリーズって3巻+1あるんですが、そのうち読んでしまいたいと思います。
明日はミステリーを読みたいなぁと思うのですが予定は未定です。
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