ブラジル蝶の謎/有栖川有栖
美しい異国の超が天井を埋めた部屋で殺害されていた男。何のために蝶の標本が天井に移されていたのか。鮮烈なイメージの表題作ほか、小指ほどの小さな鍵の本当の用途が秘書殺しの謎を解く『鍵』など、おなじみ有栖川・火村コンビの名推理が冴えわたる傑作ミステリ全六篇。読者待望の<国名シリーズ>第三弾!
いつものごとく作者は有栖川さん、登場人物はアリスで統一していきたいと思います。
この作品、読んだことあると思っていたのですが、未読でした。
ペルー鉄道だったかな?そんなタイトルの作品ありましたよね。それと勘違いしていたようです。
『ブラジル蝶の謎』
表題作。世捨て人として生活していた男が街に出てきた途端殺される話。
蝶に関しては詳しくないので結構読み飛ばしたのですが、ナルキッソスにだけはちょっと反応してしまいました。
保健室の死神の美作くんがかかった病魔って確か「ナルキッソス」でしたよね。
ナルキッソス自体は何かの神話に登場する人物(?)だったような気がしたのですが、蝶っぽかったのはこれがあったからなのかなー、と。
トリックに関しては「島のほかの住人たちは携帯持ってなかったのかな?」と一瞬思ったのですが、10年前に出て行ってしまったということなのでこの当時ならなかったのかな、と。
物心ついたころには携帯が結構普及していた年代なもので、携帯が一般的になったのがいつごろなのかとか全く分からなかったりします。
このトリック今はもう使えませんね。この当時だったから出来た話です。
『妄想日記』
失語症の男が庭で殺され焼かれているのが発見される話。
被害者が鏡を持っていったというところで、あの暗号めいた文字は鏡を使ってとくのかなぁ?とかいろいろ思ってました。
全然違いましたけど(爆)
「なぜ燃やされたのか」ってことには思わずなるほどと思ってしまいました。
でも、輪ゴムが鳴弦の代替品ってのはちょっとどうなんだろう、とも思いました。
『彼女か彼か』
女装趣味のある男性が殺される話。
冒頭がいつもと違う感じだったのでちょっとびっくりしました。
学歴のあるオカマって何か別の作品でも登場したなぁ、と思っていたのですが、多分田中芳樹さんの薬師寺涼子シリーズかなぁ。
もう何年も前に読んだものなので正直あんまり覚えてないんですが、そんなキャラがいた気がします。
作中の人物も言っていましたが、事件そのものは簡単ながらややこしい。
この作品は男性なら比較的すぐわかりそうですね。
『鍵』
缶詰中のアリスを訪ねた火村先生が昔の事件を語る話。
「犯人は誰か」ではなく「これは何の鍵か」が焦点となる話。
正直あんまり好きじゃなかったんですがこういうのもありだなと思います。
『人食いの滝』
“人食いの滝”と呼ばれる滝に落ちた老人の話。
冒頭部分とアリス登場以降が繋がっていなくて首を傾げてしまいました。
途中で繋がったので問題ないんですけど。
雪国育ちとしてはちょっとツッコミたいところがあったんですけど、トリックとしてはおもしろかったです。
『蝶々がはばたく』
アリスが電車の中で老人に過去の不思議な出来事を聞く話。
アリスと火村先生仲良すぎだろー、と思った話。
男性がこんな風に友人と旅行するイメージがないので、余計2人の仲に驚きます。
これでどちらも女性ならありだと思うのですが、どっちも男性ですからね。
最後の段落に「あ」っと。
私は北海道に住んでますし、当時まだ幼稚園児だったのでほんの少ししか覚えていないのですが、関西在住の方にとってはひどい出来事だったんでしょうね……。
明日は感想を書く時間がなさそうなので、多分購入記録になると思います。
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