少年陰陽師 焔の刃を研ぎ澄ませ/結城光流
時は平安。
晴明の後継・昌浩は、重い運命の選択を迫られる。
黄泉の封印をとくための鍵として、紅蓮の魂は屍鬼にとりこまれてしまった。
封印を守るため紅蓮を殺すか、なにもできずに黄泉の軍勢が人を滅ぼすのを見ているか……!?
失いたくないと、心の一番奥が叫んでいる。
けれど―――。
逡巡の果て、昌浩はある一つの決意を胸に、宗主が潜む出雲の国へと出立した!
シリーズ“風音編”、激情のクライマックス!!
今回は泣きました。
基本的に私は涙腺がゆるいというか、小説でも漫画でもすぐ泣いてしまうんですけどね。
昌浩に与えられた選択肢は3つ。
紅蓮を討ち黄泉の封印を守るか、指をくわえて黄泉の軍勢が地を襲うのを見ているか、耳を塞ぎうずくまり神に任せるか。
3つあるとはいえ、実際選ぶことができるのは最初の1つのみ。
頭では紅蓮を討つしかないとはわかっているのに、心が追いつかない……。
それでも最後はきちんと決意をするのだから、昌浩は本当に強い子です。
真実を知った風音が可愛そうでした。
今まで信じていたこと、そのほとんどが嘘。唯一、真実であったのは紅蓮に岦斎が殺されたということ。
それも前提条件が全然違うので嘘といっても構わないくらいです。
“巫女の力”を使うためだけに生かされてきた訳ですからね。
最後、六合の腕の中で逝った風音。一人を寂しがり、真実を知り許しを請うていた風音ですから、それがせめてもの救いでしょうか。
ラスト、昌浩が屍鬼を討つために唱える真言の合間に思い出されるもっくんの言葉。
それに涙が出そうになりました。
もっくんをもっくんとして生き返らせるために自身の命を差し出した昌浩。
三途の川のほとりで若菜ばあさまと出会って言葉を交わすわけですが、そこで涙がこぼれました。
ここでも彰子に助けられた昌浩。昌浩も晴明も、女性陣には敵いませんね。
最後、もっくんはもっくんの姿をとって生き返ったわけですが、昌浩のことを知らないっぽい。
一体どういうことなのか、かなり気になるんですが次巻は番外編らしいですね。
とりあえず、次は少年陰陽師以外の作品を読もうと思います。
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