1/2のヒーロー/七穂美也子
瑞垣聖。高一。
好きなもの――ギャンブル。
「人生はギャンブルだ!」と口癖もあざやかに、さまざまな賭けをしかける日々。
そんなある日、いとこの大学生の鷹矢が突然東京から六年ぶりに帰ってきた。
瑞垣家が氏子総代をつとめる百目神社の“巫女”になるというのだが、聖は御神体である「百目様」の正体に疑問を持ち……!?
この世とあの世の因縁を解き放つ、勝負(ベット)。
新怪感ファンタジー!
これは古本屋でシリーズ全部売られているのを見つけて表紙を見て、上のあらすじを読んでシリーズタイトルを見て、自分好みだったため買ったものでした。
妖怪好きのツボをことごとくとらえているというか。
この巻に収録されているのは、<第一話 百目の章>、<番外編 最初のギャンブル>、<番外編 赤まむしの章>の3話。
第一話でハラハラドキドキほろりとして、1つ目の番外編でほんわかして、2つ目の番外編で「え、BL!?」と驚愕しました。
上の表紙を見て、あらすじを読んでBLだとわかる人がいたらすごいと思います。
いや、七穂さんの他の作品を読んだことがある方ならわかるのかもしれないですけど、読んだ事のない私はまったくわかりませんでした。
表紙に女の子がいる時点でBLとは思いにくいですよねぇ。
BL=表紙は男(の子)2人ってイメージがあります。
ここ数年、コバルトなんて読まなかったのでコバルトは少女向けとBLが混在してるってことをすっかり忘れてました。
何年か前に千代菊でも同じような失敗してるんですけどね。当時、BLを受け付けなかったのでびっくりしたものです。
確かホワイトハートは背表紙が違うんですよね。レーベルロゴの背景が微妙に違ったんじゃなかったかなぁ、と。
コバルトも住み分けきっちりしてくれればいいんですけど。
私自身はもう別にいいんです。BLだろうがNLだろうがGLだろうが、ある程度までならどうってことなくなりました。
けど、私はあくまでも隠れ腐女子なので妹や弟に見つかるとヤバイんです。
今まで普通に本棚に並べてたのですが、兄弟たちが勝手に本を持っていくのでどこかに隠さないとまずいですね。
さて、そろそろ本編の感想を。
普通におもしろかったですよ。
百目様なる神なのか妖なのかすら定かではないものを神としてまつり、憑坐として子どもを捧げる。
現代まで続く忌むべき因習を打ち切ろうと奮闘する話ですから。
聖と譲葉と鷹矢のいとこ3人が本当に仲がいいから途中辛かったです。
年上である鷹矢が犠牲になることで聖と譲葉を助けることになるわけなんですが、納得できるわけがないじゃないですか。
けど、大勢の犠牲を生むかもしれないといわれたら抵抗も難しい。
そんな重大な局面で賭け事にはしれる聖は本当に度胸がすわってます。
この話、1話はBL要素皆無なんです。ただ仲のいい兄弟みたいなイトコってだけでそこに恋愛感情は見出せません。
<最初のギャンブル>も同様。鷹矢が村を出て行ったあとの聖武勇伝を譲葉が語るかたちですから。
<赤まむしの章>ではじめてそういう表現が出てくるので、ちょっと唐突ではありました。
わざわざBLにする必要があったのかは、ちょっと疑問です。
BLって読む人を選ぶというか読めない人って多いじゃないですか。おもしろいのにもったいないなぁ、と思いました。
BL大丈夫って人にはオススメです。
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