お嬢様とは仮の姿!/喬林知
お嬢様とは仮の姿、エイプリル・グレイブスが祖母から受け継いだ裏稼業は、誇り高きトレジャーハンター。相棒(DT)と共に依頼をこなすうち、亡き祖母が守り続けた禁忌の箱にたどりつく。だがそこに箱の“鍵”の持ち主と名乗る将校が現れて……?
この世には、触れてはならぬ物が四つある。
「風の終わり」「地の果て」「凍土の劫火」そして「鏡の水底」。
まるマシリーズの謎が明らかに!? 秘密の(シークレット)ストーリー登場!
2ヶ月ぶりのまるマシリーズです。
タイトルと表紙だけ見ると全然違う作品っぽいですよね。私もはじめ外伝作品だと気付かなかったような記憶があります。
今回の話は、箱の鍵について。
開けてはならない4つの箱の1つが地球にあったって話です。
1938年のボストンとドイツが舞台です。
エイプリルがナチス親衛隊将校のリチャード(本当はリヒャルト)や、相棒のDT、フランス人医師アンリと箱を取り戻さんと頑張る話。
この話何度か読んでいるので、なんとなく結末はわかっていたのですが、アンリの正体とかすっかり忘れていました。
というかもしかしたら気付いていなかったかもしれないという迂闊さ。
アンリって、村田になる前の前の人物なんですよね。
あれだけヒントというか小ネタが散りばめられていたのになんで気付けなかったのか……。
「あと二、三回生まれかわらなきゃドイツサッカーのよさは理解できない」とかもそうですよね。
箱の装飾についてのコメント、エイプリルが疑問を思わなかったのが不思議。上の空だったからなのかな。
はじめの方で「僕が見た時は装飾具自体がなかったからね」とアンリ。
終盤で「後でつけた縁取りだって、百年二百年ですむものじゃないでしょうに」とエイプリル。
何歳なの?ってツッコミをしたくなりませんか。
アンリはタイミングを逃しただけで、秘密を打ち明けたいって思いはあったんでしょうね。
じゃなきゃああも際どい発言しないだろうと。きっと突っ込んで欲しかったんだろうな。
「鏡の水底」は誰の手にも渡らないように、と湖に沈められました。
後日談的な1980年代春の話。
コンラッドがエイプリルの孫と会話している訳ですが、これってユーリの魂を届けにきたときの話ですよね。
ユーリが生まれたのは6月でしたっけ?なら時期的にもそうでしょう。ユーリが生まれてしばらくは地球にいたようですし。
このときに持ち帰った「鍵」と今現在コンラッドの腕についている腕は同一ってことなのかなー。
いまいちよくわからない。その辺は本編を読んでいくうちに明らかになるかな。
イングラスなるシマロンの王が怖い。
シマロン王にそういう性質が受け継がれているとして、そりゃあどうあがいたって鍵の印が現れるわけないな、と。
箱の鍵としての性質と真逆をいくわけじゃないですか。
外伝作品ではありますが、かなり重要な話でした。
次作は本編に戻ると思うのですが、楽しみです。
[0回]
COMMENT