EME BLUE 1アシュラハンド/瀧川武司
視界の端に銀の閃光。少年は叫んだ。
「うおっ!?」
ウエイトレスの持つ円盤が、少年に振り下ろされる。身をよじり一撃をかわす。研ぎ澄まされた刃が、机に食い込む。訓練された動きは、プロのものだった。
乾紅太郎、17歳。人を超越する強大な力を持つ彼は、幼少期から秘密組織に属していた。八百万機関――またの名をEME。怪異を闇に葬る独立機関だ。
任務あけ喫茶店で休む紅を、突如謎の暗殺者集団が襲う。しかし、それは不殺の信念を貫く紅と必殺を掲げる巨大暗殺組織“アシュラハンド”との激しい闘いの序章にすぎなかった……。
『EME』の書き下ろしストーリー――紅、蒼、茜が大活躍するハイ・エッジ・アクション――BLUEの第一弾!
えっと、主人公・紅が高校3年生のときの話です。
BLACK1で登場したキャラクターは紅しか登場しません。
名前だけなら黒部とかちらっと出てましたがその程度です。
なので、一応同シリーズとはいえ、まったくの別物とみた方がいいかもしれません。
本当はその間の出来事がきちんと描かれていれば繋がったはずなんですけどねぇ。
BLACK1が式神(ゴーレム)とはいえ、多くの妖怪が出てきたのに対して今回はえっと、2匹だけですか?
どちらも小動物サイズの雷獣と風狸(フウリ)のみ。
特殊能力を持つ者たちにスポットが当ってるので、そのためでしょう。
紅の任務風景からはじまるこの巻。
作品世界の説明のためのものかと思ったのですが、そういうわけじゃないんですよ。
ちゃんと意味のあるものなので、繋がったときに「ああ、そういうこと」と思いました。
暗殺組織『阿修羅の手』が怖いです。
ある日突然隣にいた人が襲ってくる……。
それだけ構成員がいるってことが非現実的ですが、ラノベだし、特殊能力も妖怪も非現実的なのでそこはつっこんじゃいけませんね。
『ライトハンド』と『レフトハンド』。
上の隣人みたいな人とは格の違う特殊能力を持った暗殺者たち。
阿修羅像ってわかるでしょうか。
3つの顔と3対の手を持つ神様なんですが、教科書とかで仏像の写真を見たことないでしょうか。
その阿修羅を名乗るだけあってライトハンドとレフトハンドは6人いるわけなんですが、そこをきちんとしたのなら頭も3つあるってことにして内部抗争とかまでやればよかったのに、と思いました。
けど、そこまでやったら長くなりすぎですかね。詰め込みすぎというか。
中途半端にきちんとしただけに気になりました。
茜ちゃんかわいいですよね。ネーミングセンスは無いですが。
いや、「ワットくん」「パスカルくん」だけならまだいいんですけどね。フルネームだとかなりひどい。
私は蒼さんより茜ちゃん派だったりします。そしてアオママはそんなもの超越した存在だと思ってます(笑)
途中、茜ちゃんが紅を傷つけるシーンがあるのですが、かなりびっくりしてしまいました。
実際は違うのですが、かなり後のほうにならないと真相は明らかにならないので、何がどうなったら巻頭のカラーページに繋がるのかかなり気になりました。
今回登場する三木也がかなり好きです。
こういう子は絶対好きになるんですよねぇ。
いろいろ言ってますが、もし紅が死んだりしたら真っ先に敵討ちに動くだろう、と思います。
一番心配してたんだろうな、とも。
あとあの食べ物に関する過剰な反応はいったいなんなのか。ちょっと気になります。
世界一明るい殺し屋『インド人』。
世界一暗い殺し屋『中国人』。
世界一己の信念に生きる殺し屋『混血児』。
世界一信念の欠けた殺し屋『雑種』。
世界一残忍な殺し屋『ベトナム人』。
世界一優しい殺し屋『日本人』。
紅がどうやってこの6人の殺し屋の魔の手から生き延びるのか。
見ものです。
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