六百頁のミステリー/幸村アルト
浅見菜都は町の図書館が大好きな女子高生。そこには、みんなに慕われている一風変わった司書の水島先生がいる。いつものように本を借りにいくと図書館で怪事件が起こり…!? 物語になぞらえて進む恋模様にドキドキする、ほのぼの文学系ラブ 幸村アルト初コミックス!
不老姉弟に続く花ゆめの新人さんの作品です。
これからが気になる作家さんがいるっていうのは作家買いをよくする人間にとってはすごくいいですね。
【プロローグ】
【第一話 銀河鉄道の夜】
【第二話 芥川の書簡】
【第三話 走れメロス】
【第四話 女生徒】
【あとがき 水島先生の一日】
5話とあとがきという名のおまけが収録されています。
主人公である読書大好き・浅見ちゃんと図書館司書の水島先生の恋模様を描いた作品です。
あらすじで怪事件云々とあるのはちょっと過大広告といっていいかなぁ。
事件モノではありません。少女マンガらしいラブストーリーです。
『六百頁のミステリー』って言葉は作中で浅見ちゃんが水島先生をたとえるのに使った言葉なんです。
「なかなかつかめない」ってことらしいですよ。
600ページのミステリーってなかなか見ないですよね。私の持ってるのだったら霧舎巧さん、篠田真由美さん、日明恩さんあたりかなー。高里椎名さんももしかしたらいってるかも。
閑話休題。
でも、600ページもある作品って一気に読めてしまうようなそういう力を持った作品なんじゃないかなーと思います。
私も浅見ちゃんには負けるものの、読書家であるため読んでいてすごく「あるあるネタ」に共感してしまいました(笑)
そうなんですよね。読書家もすぎれば変な目で見られるんですよ。
浅見ちゃんのふつうに学校行って毎日5冊読むって特殊能力には負けるものの、私も学生時代は週8、9冊当たり前に読んでました。
図書館は超常連。当時、名前を言ってカードを持ってきてもらって云々っていう処理が必要だったんですが、名前なんて言わなくてもよかったし、たまに3冊とかしか借りないと「今日は少ないけどいいの?」とか言われるくらいでした。
親には床が抜けるんじゃないかと心配されるのも、
本を読むのが好きだからあんまりテレビ見ないのもよくわかりました。
個人的に、反省文がわりに読書感想文を提出するように言われた中学生が気になりました。
こういう男の子大好きです。もうちょっと掘り下げてほしかったなぁ。
短期連載ということもあり明確なライバルがいるわけでもなく、試練的なものもほとんどないので物語としては結構無難。
そういうライバル的な子を出したらうまくまとまらなくて中途半端になった可能性があるのでこれはこれでよかったです。
私基本的に国内の比較的新しいミステリーばっかり読んでいて、海外物はおろか、古典ミステリーもほとんど読んだことないんですよ。
作中で扱われた有名作品もメロスや羅生門を授業で扱った程度。
女生徒にいたっては存在すら知りませんでした。
この作品を読んで「銀河鉄道の夜」を読んでみたくなりました。
図書館行く前にこの作品を読んでしまえばよかったなぁ、と思いました。
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