ドラゴンラージャ 1 宿怨/イ・ヨンド(ホン・カズミ訳)
主人公フチ・ネドバルは17歳。ロウソク職人の家に生まれた早熟でキレ者の少年だ。フチは、ふとしたことから首都への旅に随行することになる。旅の目的は、ブラックドラゴンに捕らえられた人々の身代金をえること。旅のとちゅう、エルフ、ドワーフ、女盗賊、スパイ、放浪する王子など、さまざまな人種、種族に出会う。一行をおそう危機、そして、待ちうける壮大な抗争劇!
ドラゴンを従えし存在=ドラゴンラージャをめぐる全15章・324のエピソード、ここに開幕!
何かファンタジーが読みたいな、と思って図書館で借りてきました。
韓国の作家さんの作品です。
あらすじを読んだときはおもしろそうだな、と思ったのですが、実際読んでみたら私の好みではなく、文字サイズが大きいので文量はそれほど多くはないと思うのですが、けっこう分厚く(巻末の用語解説を入れて380ページ超)ちょっと読むのが大変でした。
物語の主人公はフチ。
ぶっちゃけ、フチのテンションについていくのがきついです。
読んでいて疲れる。だいぶ昔に舞城王太郎さんの作品を読んだときもこういう疲労感を覚えた記憶があります。
あらすじで「早熟でキレ者」とか書かれていたのでもう少し落ち着いた少年をイメージしていたんです。
ふつうに暮らしていた少年がある日突然ドラゴンラージャになって……とか、ドラゴンラージャと旅することになって……とかそんな話なのかな、と。
今のところそんな風に物語が動きそうな気配はないです。
1巻には
【第一章 太陽にむかって走る男】と
【第二章 やかんと頭の比較】が収録されています。明らかに比率がおかしいので(第一章が4分の3をしめてます)、たぶん2巻は二章の続きから収録されているんじゃないかなーと思います。
一章の舞台はフチが暮らす村でした。
そこはあまたのモンスターが現れ、ブラックドラゴンの恐怖におびえている村です。
ブラックドラゴン・アムルタットを倒すためにホワイトドラゴン・カッセルブライムとドラゴンラージャがやってくるってところから物語はスタートします。
ドラゴンラージャってのはあらすじにもあるとおり、「ドラゴンを従えるもの」って認識されているみたいです。
でも、裏表紙や巻頭に書かれている「上品で気高い(中略)価値ある話」によるとドラゴンとドラゴンラージャの関係は人間社会における主従とは異なるものらしいとも書かれていますから、その辺はのちのち明らかになるんじゃないでしょうか。
ちなみに「上品で気高い(中略)価値ある話」の正式タイトルは「上品で気高いケンタン市長マレス・チュバレクの助力で出版された、信頼されるバイサスの市民でありケンタン史料官として奉仕した賢明なトロメニ・アップシリンガーがバイサスの国民に告げる神秘的でありながらも価値ある話」だそうです。
まるマの眞魔国正式名称とどっちが長いかな。
閑話休題。
で、本編に戻って。
ホワイトドラゴンはブラックドラゴンを討ち取ることができずに、逆に指揮官や領主さまたちと一緒に人質をとられてしまいます。
その身代金は十万セル。ぶっちゃけどれくらいすごいものなのかわかりにくいのですが、百セル金貨で数万円くらいの価値はありそうですから(お釣りが用意できない、価値あるワインが飲める)ぱっと出せる金額でないのはわかります。
そこで、その身代金を得るためフチたち一行は首都に向かいます。ここから第二章ですね。
二章は旅の様子を描くようです。
あらすじには女盗賊やスパイ、放浪中の王子の話が載ってますが、この巻には登場していません。
王子はちらりと語られていましたけどね。
たぶん二章中には登場すると思いますが。
種族を越えた交流は読んでいて頭がいたくなりそうです。
哲学めいたものってあんまり好きじゃないんですよねー。
旅の途中でこの巻は終わり。
次巻へ続きます。
あまり好みの作品ではないんですが、続きが気になるのも事実なので、今度続きを借りてこれたらいいな。
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