臨床犯罪学者・火村英生の推理3 ダリの繭(上)/有栖川有栖
推理作家・有栖川有栖と、友人で相棒の犯罪学者・火村英生。有栖の新作完成と火村の誕生日を祝うささやかな宴で、2人は宝石チェーンの社長で資産家の堂条秀一と遭遇する。しかし後日、彼は死体となって発見された。まるで繭のような高級ヒーリング機材の中で、自慢のヒゲを失って。堂条の義弟と知り合いだったことから、有栖は事件に巻きこまれることに。火村先生はこの難問にどう挑む!? シリーズ屈指の人気を誇る傑作!!
今月頭に購入してきた1冊ですが、ようやく読みました。
上下巻ということもあってわざと残していたのですが、地元でもそろそろ入手できるかな?
46番目の密室や
ロシア紅茶と同じく、過去作をビーンズ文庫で刊行しなおしているシリーズ。
なので以前紹介した
ダリの繭と基本的には同じです。
ビーンズ文庫で刊行されるにあたり上下巻になったり、挿絵があること、登場人物紹介が絵入りで挿入されているためイメージがしやすいなどそういう点が若干変わっている程度です。
あ、あとは初回限定でイラストカードがついてます。
前2作がアリス、火村先生の名刺だったので次は何が来るのかなーと楽しみにしてました。
イラストカードは、ダリの繭上下の表紙です。
実際の表紙ではタイトルで隠れているところに盛大なネタバレが(笑)
これは私が過去にこの作品を読んでいるからわかることですね。正直、初読ではアリスの後ろにあるものがどう関係してくるのか分かる人いないと思います。
ちなみにポストカードの裏側は2人のプロフィールが対比するようにかかれてます。
でも特に目新しいことはないかな?
3年前に1度読んでいる作品なので、細部はともかくなんとなくは覚えていましたが、楽しめました。
細部を思い返しつつ、2人に萌えてました。
あらすじにもある、冒頭の宴シーンで萌え殺されるかと思いましたよ。
なんでいい年した男2人でカップルばっかりのフランス料理店でディナーしてるの、と。
周りをふと見渡すと、楽しげに語らうカップルで私たちが包囲されていることに気がついた。結構なことだ。他人の幸せそうな様子を見ることは私の喜びである。(p12、13)
結構じゃねえよ!って叫んだ私は悪くない(笑)
あとは新婚ごっこ云々。その場の冗談というか悪乗りだとはわかってる。
でも萌えるのは止められない。
鳴かないカナリアの彼女とか、ノマカプに走れる要素はあるんですけどねぇ。
それでもそっちに走っちゃうのは、基本アリス視点で進むこの作品において、火村先生を気にかけるシーンが多いからなのかな、と。
シリーズ初期作品ということもあり、火村先生が犯罪捜査に関わる理由の考察だとかそういうのが語られているんですが、その締めくくりを見てもらってもわかるかな。
(略)私は微かに不安を覚えたこともある。そうであるかないかは、フィールドワークをともにしていれば判ることだろう。大きなお世話かもしれないが、気にかけておいてやりたい。この偏屈な男が持っている友人らしい友人は、私ぐらいなのだから。(p90)
ここまで思われていることに火村先生は気づいているんだろうか。
気づいていても気づかないフリくらいはするだろうけど、いつの日かその思いに答えてあげて日が来て欲しいものです。
上下巻となったことでめちゃくちゃいいところで上巻は終わっています。
アリスの友人である吉住さんが警察に任意で引っ張られたところで今巻は終了。
下巻の発売は29日?
7月1日には全国に出回るように設定されているはずなので、地元でも多分買えるはず。
明日にでも本屋行ってこようと思います。
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