臨床犯罪学者・火村英生の推理3 ダリの繭(下)/有栖川有栖
高級宝石チェーンの社長・堂条秀一殺人事件。その容疑がかかったのは、推理作家・有栖川有栖の友人・吉住だった。彼が警察で語り始めたのは、驚くべき事実。なんと目覚めた時、既に秀一は死んでいたという。動転し疑わしい行動を取ったが、殺してはいない。そう言う彼に、天才的犯罪学者の火村英生は、信じると告げる。更に発見された凶器により、事態は混迷を深め……。手掛かりを求め、火村とアリスが旅に出る、解決編登場!!
早速読みました。元々1冊だったものを2冊にしているんで、大したページ数ではないんですが、やはり平日に読むものではないですね。
2日かかってしまいました。
先日紹介した
ものの下巻です。
下巻の方には今までのような初回限定の「おまけ」はありませんでした。
ちょっと楽しみにしていただけに残念でした。
その変わりといってはなんですが、
角川文庫版には収録されていなかった掌編「シュルレアリスムの午後」が収録されています。
初出はハードカバーの
愛蔵版に読者サービスとして加えられたものなんだとか。
私が持っているのは文庫版だったのでこれ初めて読みました。
作者があとがきで語っているとおり、この作品は元々1993年に発売されたもの。
そのためスマホどころか携帯自体なかったり、パソコンではなくワープロ。
北海道に球団がないがために火村先生が冗談に使ったりしています。
そういう微妙な違和感こそありますが、発売から20年たった今でも十分楽しめます。
だからこそ、今こうして新レーベルで発売、なんて運びになったんでしょうね。
この作品を始めて読んだときから気になっていた「靴」について。
直されてますね。
私が前から持っていた角川文庫版では
「靴は下駄箱に入っていたそうだ」とあったものが
「靴はなかったけれど」に変わっていてなんか感動(笑)
それを確認するために、わざわざ角川文庫版を引っ張り出しましたよ。
まあ、手元にある角川文庫版は第11版で平成9年――1997年のものなので、前述の愛蔵版(発売は1999年)の時に直されていた可能性が高いんですが。
あとがきで、冒頭の火村先生とアリスのディナーシーンについて言及されていてなんか驚いてしまいました。
うーん、やっぱり男性と腐女子じゃやっぱり違うんだろうな、ってのが正直な感想です。
腐女子はなんてことない一言からでもそういう方向に妄想を膨らませることが得意(というかもう職業病みたいなもの)と言っていいでしょうからね。
多分、「どうよ?」って言って騒いでいるのは女性が大半だと思うんで、男性の意見を聞いてみたいなとちょっと思いました。
あと個人的には男3人でフレンチディナーにおける「どうよ」具合は、男2人より弱まるんじゃないか、と思います。
次巻は何が発売されるのかはわかりませんが(奈良かスウェーデンかな?)、発売時期は今秋のよう。
おまけがあるのか否か、あるなら何がくるのか。今から楽しみです。
[0回]
COMMENT