蔵盗み 古道具皆塵堂/輪渡颯介
曰く品が集まる皆塵堂の新たな手代は盗人だった!?
「開かずの蔵」がついに開かれる?
大好評の「人情怪談騒動記」!
小間物問屋橘屋の手代だった益治郎は、濡れ衣を着せられ店を追い出された。三日後の夜、店の様子を見にいって若旦那に追いかけられた益治郎を、甚左という名うての盗人が助ける。甚左は益治郎に、意趣返しに自分が橘屋から金を盗むから、お宝ありと目をつけた古道具屋を調べるため、働くように頼む。その古道具屋とは、曰く品ばかりが集められた皆塵堂だった……。
図書館で借りてきました。
これで輪渡さんの作品は3つ目なのでカテゴリ作ります。
帯に
「妖怪と古道具屋、私も書こうと思ってました。先を越された!――香月日輪さん推奨!!」とあるんですが、設定こそ香月さん好きそうですが、内容の傾向的には香月作品と結構違うので香月さんの「妖怪と古道具屋」はそれはそれで読んでみたいな、と思いました。
【水底の腕】
【おいらの机だ】
【幽霊屋敷 出るか出ないか】
【人形の囁き】
【蔵の中】
の5編が収録されています。
いつもの通り、連作短編です。
今回の主人公はあらすじにあるとおり、益治郎。
濡れ衣を着せられた男が泥棒・甚左に協力するために、皆塵堂へと潜入します。
前巻の主人公である庄三郎はやはり予想通り、時々登場するキャラになっていました。
今回、オールキャラながらも太一郎の出番が少なくてちょっと残念でした。
まあ、太一郎の能力的に常駐してしまうと、物語としてつまらなくなってしまうからかな、と。
幽霊を見ることが出来てその来歴までもあててしまうわけですからね。
うーん、結構好きなんだけどな。
甚左についてははじめこそ騙されましたが、途中から正体はわかっていました。
なので、正体が言及されてもやっぱりなーって感じでした。
正直、退治場面には本物も同席するのかな、と思っていたんですがさすがにそこまでしなかったんですね。
皆塵堂で働くうちに、益治郎は後一歩のところで踏みとどまれる程度には心を癒すことが出来た訳で。
それに関してはよかったな、と思いました。
太一郎が風邪をひいて寝込んでしまいますが、まあその程度ですんだんですからよかったんでしょう。
(まあ、この時代なら風邪もバカに出来たもんじゃないとも思うんですがフィクションですから笑)
開かずの蔵に関しては、まあそんなものかな、と。
お宝が眠っているとはさすがに思ってなかったですし。
この一連の話は益治郎が大黒様に呼ばれたちょっと不思議な縁の話だったってことですね。
きっと次巻もあるんだと思うんですが、次もまた皆塵堂にやってきた新しい手代が不思議な目にあうっていうパターンなのかな?
そういうものだとパターン化してしまうのもいいかと思いますが、それはそれで難しそうな。
どちらにせよ、次巻が出たらまた借りてきたいと思います。
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