完全版 地獄堂霊界通信 2/香月日輪
上院町内に君臨する「イタズラ大王三人悪」
てっちゃん、リョーチン、椎名――。
彼らの前に一人の美少女、由宇が現れた!
あまりの可愛らしさに、舞い上がる三人だったが、彼女はどこか儚げで、悲しそうで……。
そんな由宇をつけねらう、黒衣の男・蒼龍。
三人悪は初恋の少女を守ることができるのか!!
(「あの夢の果てまで」他二編を収録)
地獄堂シリーズ第2弾です。
「龍さんいつ出るのかなぁー」とか思っていたのですが、あらすじにもある蒼龍=龍さんってことでいいんでしょうか。
いいのか、これ。
なんかいろいろ夢が壊れたというか……。
妖アパの龍さんは人間かどうかも定かではない年齢不詳のカッコいいお兄さんってイメージだったんですよね。
「いやーあれは失敗だった」とか朗らかに笑いながらもでもやっぱりすごい人って感じ。
夕士の前に現れる龍さんはそんな感じじゃないですか。
けど、地獄堂だとなんか違う。
そーちゃん呼ばわりされてるし、秋音ちゃんみたく偽名(?)なんでしょうがフルネーム出てるし、さらには年齢まで……。
時系列が気になります。
地名なんかはかなりいっぱい出てくるんですが、年代までは明らかになってませんよね?
妖アパの10巻を読む限り龍さんの外見年齢なんてまったく参考にならないみたいですし、地名や学校、神社なんかはそうなくならないだろうから参考というには厳しいものがあるかと思うのです。
けど、地獄堂と妖アパが同じ年代だとしたら田代ちゃんと夕士の会話でちらっとのぼってもいいのかなぁ、とも思うんです。
やっぱり気になるなぁ。
誰か上院周辺地図と一緒に時系列まとめて発表してる人とかいないですかね。
いたら教えてください。
前置きが長くなりましたがそろそろ本編の感想を。
「幽霊屋敷その一」「幽霊屋敷その二」「あの夢の果てまで」の3編が収録されてます。
「その一」は悲しい霊の話。
恨んでもどうしようもないことでも恨むしかできなかったんでしょうね。
まっすぐすぎるくらいまっすぐな三人悪にはちょっと難しかったんだろうな。
あの女医さんの行動ですが、昔だからありえた描写ですよね。
今ああやって殴っていたら「体罰だ!」って騒ぐ人多いですから。まあそれを言ったら三人悪の行動のほとんどが昔だから許されたことですけどね。
「その二」についてはちょっと語りにくいかな。
お金があればたいていのことはなんとかなるってのはあながち間違っちゃいないと思うんです。
金の亡者になるほど執着するってのはともかく、ある程度までなら仕方ないのかなとも思います。
私現在21歳ですが、私が老後を迎えるころ年金制度とかまともに作用してると思えないんですよね。
幸せはお金じゃ買えませんが、生活していくにはお金が必要ですから。
「あの夢の果てまで」もまた悲しい話ですね。
寂しさに負けた霊能者が原因で起きた悲しい話。
最後、救いのある終わり方でよかったです。
そういや、龍さんてクリとシロも転生させてたな、とか思いながら読んでました。
竜也兄ちゃんも最後にキスの一つでもしてやればよかったのにと思わなくもない(←違)
全体を通して子供らしい反応をするてっちゃんとリョーチンに対してちょっとずれた反応を返す椎名に笑ってしまいました。
だから登場人物紹介のところで「ちょっと変」ってなってるんですね(笑)
納得です。
早くアヴェマリア読みたいので明日は篠田真由美さんの作品でも読みたいなと思ってます。
けど篠田さんの作品って分厚いんですよね。読めるかなぁ。
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