よろず一夜のミス テリー 炎の神判/篠原美季
都市伝説サイト「よろいち」に“おひとりさま”の怪情報が届く。夜道で「火を貸してくれ」と声を掛けられ、断ると身体に火をつけられるというもの。そんななか、火の気のない場所で 女子高生の身体が燃える事件が! 被害者は奇しくも事務所の社長・輝一の知人の教え子。そして単身調査に乗り出した恵は、輝一の意外な過去を知るのだが……。信頼の絆を失ったチ ーム、絶体絶命か!?
昨日購入してきたよろいちシリーズ、早速読みました。
今回珍しくあらすじ読んでから読み始めましたが、これじゃない感が強かったです。
前回の予想通り、今回は「火」。
正確には「炎」ですが、意味合い的には「火」だし、作者的にも「火」でOKらしいです。
あらすじを読むとなんとなく、恵がぶん殴られるくらいのことはあるんだろうか、とハラハラしつつ読んでいたんですが、そこまでひどいことになることもなく。
いや、最初はハラハラするんですが、思ったよりあっさりとその問題については簡単に解決してしまうんですね。
なので、「『絆を失う』ってこれだけ?」と拍子抜けしてしまいました。
この作品って科学とオカルトが同時に存在する世界観とでもいいましょうか。
オカルトめいた現象を科学的に考察し、検証していくというのが基本コンセプト。
今回、恵たちが追うのは、おひとりさま――お火取りさまです。
なんでも、夜道を歩いていると後ろから「火を貸してほしい」と声がかけられるんだとか。
後ろを振り返ると、足だけの存在があり、それに追いかけられて火をつけられるというもの。
都市伝説というだけあって、細かなバリエーションこそありますがだいたいはそんな感じ。
そんなお火取りさまを調べていくうちに、元ネタとなったであろう事件にたどり着きます。
夏の暑い日のこと。高校の屋上で少女の身体に突然火がついて亡くなったという事件。
焼身自殺ということで処理されたその事件も実は……。
正直、犯人がちょっと怖かったです。
どっかで書いた気もするんですけど、私ヤンデレ苦手なんですよ。
こういうどこかいっちゃってるようなキャラは本当に苦手です。
犯人にとって、輝一の存在というのはいったい何だったんでしょう、とちょっと考えてしまいました。
きっと、輝一の過去のあやまちを知ったことによって、弱みを握ったと思いこんだんでしょうね。
輝一の存在って性格以外は完璧というか。そんなイメージ。
そんな物凄い存在である輝一を自在に操れるとでも思ったのか、あるいはそこに存在意義を見出したってことなのかな。
過去の体験があったから、女子高生はターゲットにされたんでしょうね。
細かな点は語られていなかったので推測になってしまうのですが、ちょっと残念ですね。
どうやら、このシリーズ次巻で終わりのようです。
五行が一周したあとタイトルどうするのかな?と思っていたのですが、余計な心配だったようです。
作者あとがきのニュアンスからするとはじめから5冊で区切りってのは決まっていたようです。
意欲はあるようですが、作者サイドでも5巻でこのまま完結なのか、「続」やら「新」やらで続きが出来るのかは不明らしいです。
5巻にして最終巻の「木」は2014年5月発売とのこと。
きっと、恵たちの父親の話なんかも語られると思うのですが、どうかな?
今回ほのめかされた輝一の弟の話も何か絡んでくるのでしょうか。
楽しみです。
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